中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は8月8日、2024年4~6月期の決算を発表した。同四半期の売上高は19億100万ドル(約2791億円)と前年同期比21.8%の増収を達成。それとは対照的に、純利益は1億7200万ドル(約253億円)と前年同期比62.9%の大幅減益を記録した。
増収減益となった要因は、SMICが目先の利益率よりも受注拡大(を通じた設備稼働率の改善)を優先したことだ。4~6月期の粗利率(売上総利益率)は13.9%と、前年同期の20.3%から6.4ポイント低下した。
中国の半導体業界では過去数年、技術的に成熟したプロセス技術を用いる生産ラインの新増設が相次ぎ、それらの稼働とともに生産能力が需要を上回る状況になっている。そんな中、SMICはより安い価格を提示するライバルへの対抗値下げを余儀なくされているのが実態だ。
12インチのラインはフル稼働
「生産能力が余っている同業他社が、価格を下げてSMICの顧客と市場シェアを奪おうとするなら、われわれは受けて立たざるをえない。とはいえ、そのような挑戦がなければ、わが社のほうから価格競争を仕掛けることはない」
SMICの共同CEO(最高経営責任者)を務める趙海軍氏は決算説明会でそう述べるとともに、次のように補足した。
「ファウンドリーの受託生産料金は、4~6月期には(下げ止まって)落ち着きを取り戻した。特に12インチウェハーに対応した生産ラインは、フル稼働しても需要を満たしきれない」
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