ソーシャルメディアマーケティング最前線《中》--「サンダーバードラボ」に見るトリプルメディア戦略の実践例


 なぜログインページの離脱率だけが高いのかを議論した結果、ログインページのデザインが原因の1つではないかとの仮説に至りました。当初、ログインページでは、ソーシャルログインを前面に打ち出したデザインにしていました。
 
 しかし、ソーシャルログインボタンが目立ちすぎることで、「ソーシャルメディアIDを持っていないとログインできない」という誤解が利用者に生まれ、ソーシャルメディアIDを持っていないユーザーが離脱してしまったのではないか、というわけです。
 
 そこで、ソーシャルメディアIDを持っていなくてもログインできる「かんたんスタート」ボタンが目立つようにデザインを修正した結果、ログインページでの離脱率を大幅に下げることに成功しました。

ところが、今度は「かんたんログイン」ボタンが目立つことで、逆に、ソーシャルログインの割合が少なくなりすぎてしまうという課題が出てきました。
 
 そもそもソーシャルログイン機能を活用したのは、ユーザーの関与度を高め、情報拡散を促進するという目的からです。連載の《下》でお伝えする予定ですが、他の施策結果からターゲットとソーシャルメディアの相性は悪くないことがわかっていたため、離脱率を低くキープしながらもソーシャルログイン機能を使う人が減りすぎないように、最後までデザインの微調整を行いながら運用を進めていきました。



【Twitter:ブランド認知およびオフィシャルサイト誘導】

このキャンペーンでは、サンダーバードにおけるマドンナ的存在であるキャラクター「ペネロープ」のTwitterアカウントを開設しました。施策全体におけるTwitterの位置づけは、情報発信と拡散によって「THUNDERBIRDS Lab.」の認知拡大を図り、最終的にはオフィシャルサイトに誘引することです。

このアカウントでは、キャンペーンの告知のみならず、サンダーバードの話題や、天気や時事ネタなど幅広いテーマで、ユーザーとコミュニケーションを図り、ユーザーとの定期接触につなげました。


【YouTube:ブランド認知およびオフィシャルサイト誘導】

YouTubeには、キャンペーン認知とオフィシャルサイトへの誘引を目的に、ブランドチャンネルを開設しました。ターゲット層を引きつけるために、「サンダーバード」の懐かしの映像コンテンツや、今回のプロジェクトのために制作したオリジナルCMを用意しました。

またYouTubeトップページへの広告出稿も行いました。この広告には「サンダーバード」の代表的なシーンである、マシン発射前のカウントダウンのシーンを用い、何げなくYouTubeに訪れたターゲット層の興味喚起を狙いました。


【Facebookページ:関係性構築】

Facebookページの目的は、サンダーバードを通してユーザーとのつながりを構築し、オフィシャルサイトへの誘導を図ることです。
 
 《上》でお伝えしたように、Facebookは「関係性構築」に適したメディアです。ユーザーと密なコミュニケーションを図ることで、オフィシャルサイトに定期的に誘引し、「抗体医薬」の刷り込みを目指しました。

以上が、今回のプロジェクトの全体像です。《下》では、これらの施策が実際にブランド認知にどのように影響したのかをお伝えします。




小川 丈人
ビルコム株式会社Creative Division Director。1997年、総合広告代理店へ入社。各種企業Webサイトの立ち上げや、Webキャンペーンの企画提案・運営に携わった後、デジタルコミュニケーション部門へ異動。国内外のさまざまな企業におけるデジタルコミュニケーションの企画・制作に従事し、2009年のSpikes Asiaなど国内外の広告賞を多数受賞した後、クリエイティブ部門へ異動。デジタルを活用した統合型コミュニケーション企画の戦略立案、制作業務に携わる。11年、ビルコムCreative Division Director就任。WOMマーケティング協議会理事。広告学会クリエイティブ委員会委員。

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