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日系だけじゃない「中国で車売れない」広がる悲鳴 ドイツメーカー、現地メーカーも大変な状況

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  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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今年前半は仁義なき値下げ競争の様相だったが、“ポルシェの乱”などをきっかけに、海外メーカーは現実を受け入れ始めた。

BMWは7月、価格競争から離脱。販売目標を引き下げる方針に転じ、逆に値上げした。

同ブランドは昨年以降販売店での値引きが徐々に拡大し、今年前半は車種によっては100万円以上実売価格が下がっていたが、今年1~6月の中国販売は前年同期比4.2%減の37万5900台にとどまった(ちなみに同じドイツ勢で、値引き販売が拡大しているメルセデス・ベンツも同期間の販売は6.5%減少した)。

値引きをしても販売が増えなければ、高級ブランドとしての価値が損なわれ、中古車価格が低下し、ディーラーの傷も広がるなど泥沼である。だったら、中国の生産能力を削減し、利益を確保したほうがましということだ。ホンダや日産の中国工場閉鎖もその流れに沿っている。

国有企業の経営実態も苦しい

ただ、外資メーカーは撤退したり身を縮めて嵐を回避すればいいが、合弁相手の中国国有企業は雇用や生産で国のKPIを負っており、簡単な話ではない。

トヨタとホンダが合弁を組む広州汽車集団も、日本企業との合弁で成長した歴史を持つだけに、経営はかなり苦しい。

【2024年8月21日10時半追記】初出時、合弁の表記について事実と異なる部分がありましたので、上記のように修正しました。

合弁を組んでいた三菱自動車が撤退した際には、その生産設備を広州汽車傘下のNEV(新エネルギー車)メーカー「広汽埃安新能源汽車(AION)」のEV工場として転用したが、実は今年はAIONの販売も思わしくない。広汽集団の今年前半の販売台数は前年同期比25.79%減、頼みの綱のNEVも同30.61%減少した。

EVも含めて生産能力が明らかに過剰となっている中、工場を閉鎖したとしても、譲渡先や従業員の雇用先が見つからない。2~3年前とは大きく状況が異なり、日系メーカーの生産削減の調整も難航している。

8月中旬にはGMが中国で大規模リストラを行うと報道されたが、同社は肯定も否定もせず、「(合弁先の)上海汽車集団とのパートナー関係は変わらない」と歯切れが悪かった。

日系に限らず、中国の自動車業界自体が「とにかく大変」なのだ。

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