「外資系自動車メーカーは将来、中国の工場の生産能力を年間1000万台分削減しなければならないかもしれない」――。
スイス金融大手UBSの自動車担当アナリストの鞏旻氏は、11月25日に開催したメディア向け説明会でそんな悲観的な予想を示した。
鞏氏によれば、外資系メーカーの中国工場の平均稼働率は2020年の73%から2023年には56%に低下した。「中国ブランドのクルマが外資系ブランドから市場シェアを奪っているからだ」。鞏氏は理由をそう説明する。
韓国車のシェアは1%台
中国汽車工業協会のデータによれば、中国の新車販売に占める中国ブランドのシェアは2024年10月に過去最高の70.1%を記録。前年同月より10.4ポイント上昇し、初めて7割の大台に乗った。
それとは対照的に、外資系ブランドの市場シェアは下がり続けている。中国汽車工業協会のデータによれば、2024年1月から10月までの市場シェアは(フォルクスワーゲン、メルセデスベンツなどの)ドイツ系ブランドが14.9%、(トヨタ、ホンダ、日産などの)日系ブランドが11.2%、(GM、フォードなどの)アメリカ系が6.5%にとどまり、韓国系に至ってはわずか1.6%に落ち込んだ。
こうした変化の背景には、中国市場のEV(電気自動車)シフトが予想を超えるペースで進んだことがある。新車販売に占めるEVとPHV(プラグインハイブリッド車)の比率は、2024年7月から4カ月連続で50%を超えた。
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