自動車部品ボッシュ、欧州と中国に「真逆」の課題 ドイツ中心に5550人削減、中国は開発体制強化

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ボッシュは欧州市場ではEVシフトの失速、中国市場ではスマート化の加速への同時対応を迫られている。写真はドイツの研究開発拠点(同社ウェブサイトより)

世界的な自動車部品大手のドイツのボッシュは11月22日、今後数年間に全世界で5550人の従業員を削減すると発表した。そのうち3800人は本拠地のドイツの従業員が対象となる。

部門別の削減人数は、自動運転システムなどのソフトウェア開発部門で3500人、モーター工場で750人、ステアリング部門で1300人としている。この計画に対し、ドイツ最大の産業別労働組合IGメタルは即座に反対を表明した。

電動化のペースを読み違え

ボッシュは人員削減を迫られた要因として、自動車業界の生産能力が全体的に過剰となっている中、クルマの電動化、スマート化、ソフトウェアによる集中制御化など(の次世代技術)への移行が想定したほど進んでいないことを挙げた。

欧州自動車工業会のデータによれば、ヨーロッパ市場における2024年1月から10月までのEV(電気自動車)販売台数は前年同期比4.9%減少した。金融情報サービス大手のS&Pグローバルは、2025年上半期(1~6月)のヨーロッパ市場の自動車販売に占めるEVの比率の予想を27%から21%に引き下げた。

ヨーロッパの完成車メーカーの多くが次世代プロジェクトの延期や中止に追い込まれており、部品メーカーのボッシュも経営戦略の見直しと生産調整が避けられなくなった格好だ。

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