日系だけじゃない「中国で車売れない」広がる悲鳴 ドイツメーカー、現地メーカーも大変な状況

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日系、ドイツ系の苦戦の背景には、EVシフトでガソリン車の市場が急激に縮小していることに加え、値下げ競争に巻き込まれていることがある。

日本ではそれほど詳細に報道されていないが、ホンダの藤村CFOが「他社の値引きの状況が、われわれの想定を少し超えているレベル」と言及しているように、一部メーカーを除いて採算が取れなくなるほどの状況に陥っている。

価格競争は2023年秋ごろから加速した。BYDが年間販売300万台を達成するため値下げに踏み切り、黒字化できていない中堅メーカーも追随した。

2024年に最初に仕掛けたのもBYDだ。「EVはガソリン車より安い」というスローガンを打ち出し、手始めに低価格帯セダン「秦PLUSシリーズ」の価格を引き下げた。

2023年2月に発売されたPHVの「秦PLUS DM-i」は、最廉価版が9万9800元(約200万円)と、中国国内のPHVで初めて10万元を切る価格で瞬く間にヒットした。

その車種を2024年2月にリニューアルし、従来より2万元(約40万円)安い7万9800元(約160万円)で販売、EV版も2万元値下げして10万9800元(約220万円)からとした。

中国 EV 日系 ドイツ
秦PLUS DM-i(写真:公式サイトより引用)

「秦PLUS DM-i」の値下げは、日産と東風汽車の合弁会社である東風日産が製造するシルフィ、上海フォルクスワーゲンのラヴィダ(LAVIDA)、トヨタと第一汽車の中国合弁である一汽トヨタが生産するカローラを狙い撃ちした。

ガソリン車を買うのは、ポケベル買うのと同じ

EVシフトが進む中でも、保守的な地方消費者が主な顧客とされる10万元前後のセダンはなお合弁メーカーのガソリン車が強い。

2018年に中国の乗用車販売台数でトップに立ったシルフィは、2020年、2021年の販売が50万台を超え、2023年は37万6100台まで減少するも、なおセダンのトップを守っていた。

中国 EV 日系 ドイツ
中国で生産されたシルフィ。写真はEV版(写真:AP/アフロ)

セダン2位のラヴィダも2019年の51万7000台をピークに、2023年は34万5800台まで落ちたが、人気は根強い。BYDはこのセグメントに切り込んだ。

BYDのブランド・PR総経理の李雲飛氏は「秦PLUS DM-i」の値下げを発表した日、SNSに「(NEVが安くなれば)今後、ガソリン車を買う人はいなくなるだろう。今ガソリン車を買うのは、スマホを持っている人がポケベルを買うようなもの」と投稿した。

実際その通りになった。CPCAが公表した今年の7月のセダン販売台数で、長くトップ3を守ってきたシルフィは6位に後退した。

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