「窃盗でデジタルタトゥー」身分偽る青年の人生 ある日、見知らぬ青年から「助けて」とDMが届いた
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最初は記者に身元を偽っていた男性(2020年1月3日、福岡県内で、写真:一宮俊介)
5年前、見知らぬ青年から届いた「助けて下さい」という一通のDM。その若者は身元を偽って姿をあらわし、そして消えていった。その背景のひとつに「デジタルタトゥー」があった。赤いスニーカーとボロボロの歯が印象的だった彼は今、どこで何をしているだろうか。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
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2019年12月、記者のツイッターアカウントに突然「助けて下さい」というメッセージが届いた(写真:弁護士ドットコム編集部)
突然届いたDM「助けて」
2019年12月26日、当時新聞記者だった私のツイッター(現・X)に匿名アカウントからDM(ダイレクトメッセージ)が届いた。
「助けて下さい」
句読点や絵文字がない6文字だけの一文に眉をひそめつつ、「どうされたんですか?」と返すと2分後に返事がきた。
「泊めてくれる人探してました」
私「今どこにいるのですか?」
「博多です。駅でさ迷ってます」
私「ホテルなどに泊まるお金はお持ちですか?」
「9000円ならあります。ネットカフェに今日はいます。明日からどうしよって、おもってます」
怪しさを感じつつも、何か取材のきっかけになるかもしれないと思い会うことにした。
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