「窃盗でデジタルタトゥー」身分偽る青年の人生 ある日、見知らぬ青年から「助けて」とDMが届いた
翌日、指定したJR博多駅(福岡市)前のベンチで待っていると、真っ赤なスニーカーに黒のキャップをかぶった若者がやってきた。
近くのカフェに入り、一番奥の席の丸テーブルを挟んで向かい合う。彼は、下の名前を「ルイト」、年齢を「20歳」と自己紹介した。そして、質問に答える形で半生を語り始めた。
まとめると次のような話だった。
福岡に住んでいる人を検索する中でたまたま見つけた私のツイッターアカウントに連絡してきたのは、そんな状況下だったらしい。
残り2200円で寝場所を確保
博多に流れ着いた経緯を話し終わると、彼は「まずは住むところを見つけたい」と言った。
運良く、生活困窮者を支援する福岡市東区の「抱樸館(ほうぼくかん)福岡」に空きが見つかり、早速12月28日朝に施設を訪ねた。
申込書に性別や生年月日、相談したい内容などを記入し、健康状態や借金の有無などの質問に答えていく。施設のルールについて説明を受け、契約書2枚に名前と日付を記入して手続きは終了。施設責任者の許可が下り、入所が決まった。
割り当てられたのは3階にある6畳ほどの個室。彼は支給された下着やタオルを棚に丁寧に並べていく。
「思ってたより広い。やっとゆっくり寝れそうです。寝るところとご飯があるので大丈夫。あとは(施設に)入っている人と打ち解けられるかです」