インド首相の独立記念日演説は低調 指導力回復の期待に応えられず

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 8月16日、インドのモディ首相(写真)が打ち出したいくつかの改革策が議会で行く手を阻まれた中で、与党陣営からは、首相が15日の独立記念日における演説で指導力に対する信頼を取り戻してほしいとの声が出ていた。先月撮影(2015年 ロイター/Adnan Abidi)

[ニューデリー 16日 ロイター] - インドのモディ首相が打ち出したいくつかの改革策が議会で行く手を阻まれた中で、与党陣営からは、首相が8月15日の独立記念日における演説で指導力に対する信頼を取り戻してほしいとの声が出ていた。しかし残念ながら低調な内容にとどまり、こうした期待は裏切られた。

1時間半にわたるモディ氏の演説は、数百万人の貧困層への銀行・保険サービス提供や物価上昇抑制の成功など、政権のこれまでの実績を前面に出したが、かつて同氏を政権の座に導いた活力やビジョンは見当たらなかった。

同氏が昨年行った独立記念日の演説は、情熱にあふれ、成長押し上げや数々の社会・経済問題解決のための改革を実行するのが待ちきれないというトーンで占められていた。

ところが今回、同氏は実績を早口でまくしたてたほかは自身が直面する課題を強調する目的で統計を読み上げるといった場面が大半。以前なら必要なかったメモ書きに頼ることさえあった。

閣僚の1人は「モディ氏が野党に反撃し、改革ペースが予想より遅れている元凶は野党だと批判してくれると思っていたのに、そうしなかった」と嘆いた。

ニューデリーの政治アナリスト、Neerja Chowdhury氏は、今回の内容を聞くと、これが昨年の演説で抜本的な改革と新たな局面をもたらしてくれると感じさせてくれた同じモディ氏だとは感じられなかった、と話した。

一方で政権に属するある官僚の説明によると、モディ氏は改革を進められていないことに動揺しており、「低姿勢を徹する」ととともに、政治状況の改善に注力することを決めたという。

ただもしも熱狂的な演説であったなら、数週間内に予定されているビハール州の選挙で厳しい闘いをしている与党の援護射撃になったとみられる。同州は所得が低水準で、野党はモディ氏が企業寄りで貧困層に打撃を与えるというイメージを広げようとしている。

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