留目:グローバルチームで考えなければいけないのは、世の中の人たちが何に関心をもっているのか、世界で何が問題なのかといったこと。結局ビジネスというのは、世の中の課題を資本主義の仕組みで解決していくことです。解決への貢献度が高ければ高いほど利益につながるし、自分自身の収入にもつながる。課題の設定の仕方や解決の方法というのも、グローバルチームで行ったほうが効率が断然よくなる。必要なのは、そういった考え方だと思うんです。
安河内:おお、本質が詰まっていますねー。国内だけで、ちまちまやるんじゃなくて、海外の叡智を結集したほうが世界の直面している課題の解決が早く進むし、大規模に進みますものね。
留目:ええ。異なるアイデンティティを持ったメンバーがいるからこそ、チームとしての意義が高まる。みんながフォワードである必要はない。日本人はミッドフィルダーが似合う場面がけっこう多いとは思いますけども……。これからの世界最強は、さまざまなアイデンティティーを持った人間が集まって作られたチームなのでは? そんなチームが問題解決に向けてフォーカスしていくというのが、いちばん力がありますよね。
安河内:今のお話で、ビル・クリントンが大統領だったときにState of the Union(一般教書演説)でアメリカの国民に語りかけた一節を思い出しました。
多様性は違っているからダメととらえるのではなく、異なるアイデンティティから叡智を結集することで強くなれる、ということです。
「人として成長するためには英語は不可欠」
安河内:では最後に、20年前の留目さんと同じように、「英語を何とかしなくちゃ!」と今まさにテンパっている東洋経済オンラインの若い読者に向けてメッセージをお願いします。
留目:まず、なぜ今、英語をやらなければならないのかを考えてみると、仕事のため、海外旅行のためというのではなく、「人間として必要なバランス感覚を身につけるため」なんだと思うんです。英語を生活レベルにまで浸透させて、英語の情報を取り入れられるようにする。大げさな言い方かもしれませんが、人として成長するために英語が不可欠です。だから、英語をコミュニケーションの道具として、本当に知るべきニュースをつかみ、語るべき友達を作っていく。そんなとらえ方で英語と向き合ってみるといいのではないでしょうか。
安河内:ありがとうございます。そうだ。あともうひとつ質問がありました。大学4年の時点で500点ほどだったTOEICのスコアは、その後どこまで上がったんですか?
留目:TOEICは、じつはその1回しか受けたことがないんです。社員には受けるように言っているんですが……。
安河内:じゃあ、今でも最終スコアは500点なんだ! それでも国際企業の社長になれるっていうのは、純ジャパの英語学習者にとって大きな励みになりますね!
(構成:山本航、撮影:梅谷秀司)
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