安河内:たとえば、「go」という同じ動詞を何度も使うと、作品が単調になったり、作者の力量が疑問視されたりするのでしょう。だから、何通りも違う言い方で表現するんです。「行く」という意味のgoを、head、proceed、make one’s way、advanceといった表現に置き換えたりするわけです。でも、日常生活でよく使うのは何と言っても「go」です。ですから、会話だけを目的にすると、洋書の難しい小説などは、無駄な部分が多いのかもしれません。
留目:普段そんなに知らなくていい言葉がごっそり出てきて、そのほとんど背景描写や動作を表現するところで使われている。
安河内:そう、だから難しい洋書は、読解力がすごく高くなります。ただ、話すのを目的にした場合は、ちょっと違う。だから、留目さんは、すごくいいところに目をつけましたよ。
アメコミは会話の教科書に最適
安河内:どんな英語コミックを読んだんですか?
留目:『The Walking Dead』『Batman』『Big Damn Sin City』といったアメコミです。
安河内:スラングなど、日常で使う表現も満載ですよね。会話の教科書としては最適だったんでしょうね。
留目:はい。ドラゴンボールなど、日本の漫画が英訳されたものもかなりありますが、そういった類いは、日本人の物の考え方や表現の仕方を英語に訳しているだけです。アメコミの面白さは、日本人だったらそんな返答はしないだろうといった、アメリカ人の性格や会話の進め方みたいなものが描かれているところ。日本の漫画の英訳だと、行動様式として描かれているのはあくまでも日本人で、言葉としてそれが英語になっているだけなので、アメコミのような新たな発見がない。
安河内:なるほど。アメコミだと会話も勉強できるし、日常生活やパーティでどう振る舞えばいいかといった、アメリカの習慣までわかるんだ。
留目:ええ。彼らがどう会話を進めていくか、どう反応するか、アメコミにはちゃんと描かれているんですよ。
安河内:今まで私は『美味しんぼ』『デスノート』など、日本の漫画の英訳ばかり読んでいたんですけど、アメコミにはそんな効能があるんですね。さっそく読んでみます。アメコミはどうやって入手しているんですか?
留目:電子書籍をオンラインで買っています。
安河内:じゃあ、タブレット端末の中に何冊も入っているんですね。レノボさんからもいいタブレット端末が出ていますものね?
留目:宣伝、ありがとうございます(笑)。どこでも読めて便利です。
安河内:プライベートで、アメコミ以外に英語のスピーキングに効果てきめんだったのは?
留目:何といっても友達ですね。
安河内:飲み友達ってことですか?
留目:飲み友達はもちろん、飲まなくても社内外で食事に行ったりだとか、バカ話したりだとかができる、ノンジャパニーズの人間ですよね。リラックスした雰囲気でたくさん交わしてきた彼らとの英語のやりとりが、今の自分の英語スピーキングの土台になっていると思います。
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