安河内:アルコールが入ると英語の言い間違えも普段に比べると全然気にならず、早口でしゃべれたりしますものね。でも、英語学習者の段階で英語環境オンリーのピクニックなどに参加しなければならなかったりすると、ものすごく疲れませんでしたか? 相手はリラックスしているけど、こっちはまったくくつろげない、みたいな……。
外国では男性もおしゃべり好きな人が多い
留目:あと、運転していて英語でずっと話すのも疲れます。
安河内:確かに。釣りに行ったりとかして、わーっとしゃべれないといけない。そんな環境で集中的に英語を使うのは、スピーキングの環境としてはある意味最高です。向こうの人は沈黙を嫌うので。そういうとこ、ないですか?
留目:そうかもしれません。日本人はそれこそ大学生や社会人の若いころまでは、学友や同僚などと差しで朝が来るまでしゃべり続けるとかあるじゃないですか。だけどおじさんになってくると、日本人だけの交友関係では、男同士で夜通ししゃべり続けることってないですよね?
安河内:ですね。
留目:アメリカ人やオーストラリア人などは、大好きという印象があります。いい年をしたおじさんになっても、よくしゃべる(笑)。
安河内:年の感覚も違いませんか? 親戚でもないのに、70歳の人が20、30代と世代を超えて一緒に普通に飲んでたりとか。
留目:ありますね。日本人は同性の友達との付き合いがだんだん少なくなってしまいがち。仕事、家庭が優先されてしまうからだと思うんですが……。
安河内:それは同世代で固まりやすいからかもしれないですね。向こうはそもそも出身の国が違ったり、言語が違う。グジャグジャな状態なことが多い。そっか。だから本ばかりで英語を勉強するんじゃなくて、友達を作れというのが最後の鉄則なんですね。
留目:ええ。飲みに行くのはもちろん、海外だと、いいおじさんでもクラブに行ったりする。社交的になってバカ話して。日本でクラブというとナンパのため、みたいなのがありますが、向こうはそんなことない。打ち解けてしゃべるために行くのが目的。そういうのはいいなと思いますね。
仕事、勉強だけで英語を使っていても雑談は無理!?
安河内:広い人間関係の構築によって会話の幅も広がっていきますものね。レノボに転職してからはアメリカに駐在経験がおありだとか?
留目:本社のある、アメリカのノースカロライナに1年いました。
安河内:アメリカでの仕事経験は、さぞかしスピーキングに役立ったでしょうね。
留目:実はそれほどでも、というのが率直なところですね。向こうに行ったときには自分の英語レベルが、英語環境で働いて基本的な生活をするのは、別に何も困らないレベルにあったからなんでしょうが……。
買い物や外食、観光など、生活していく上では全然こまらない。仕事で英語を使うと言っても、日本にいたときから使っていたし、使うシチュエーションもさして変わらない。というのも、アメリカは直接顔を突き合わせるより、電話会議のほうが多かったりするんです。だから、「現地にいなくても仕事になるのでは」とさえ感じるほどでした。
というわけで、会議を始め仕事の進め方がアメリカに行き変わったということは、全然なかったんです。だからこそ、仕事以外で友達を作ることが大切なんじゃないでしょうか。
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