話せなくても英語の仕事を引き受けろ! 英会話スクールじゃ実力はつかない!?

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英語を使わないといけない環境あったことが、英語力アップにつながった

安河内:留学でもいい。外資系企業に転職でもいい。日本語ができない彼氏、彼女とお付き合いするのでもいい。とにかく何でもOKなので、英語を使わないといけない環境に自らを放り込んでしまえ。これから英語に本腰を入れようと思っている人がいたら、そう言いたいでしょう?

留目:そうですね。確かに自分の英語はそれで大きく前進したと言えると思います。

仕事で必要な単語は意味が覚えられる!

安河内:結局のところ、仕事なり留学なり、英語を使わざるを得ない環境に飛び込むしかない。そういった環境だと、予習復習をやらないわけにはいかなくなりますから。発電プラントの仕事が留目さんの英語力にかかっている。これは効きますよ。

留目:ええ。発電プラントの仕事では、エンジニアリングの独特の単語がたくさん出てくるんです。面積がどうだとかというのも、英語でやらなくちゃいけない。

安河内:最初にぱっと見ただけでは読めないし、ましてや訳せないですよね?

留目:はい、辞書を引きまくりました。あれほど必死に辞書を調べたことはなかったですね。

安河内:辞書というのは、ただ無目的に、ダラダラ意味調べをしても、そんなに効果がないものなんです。使わない単語を、単語帳を作ったりして、ひたすら暗記して覚えようとしても、なかなか定着しない。ところが、「発電プラントのマニュアルを読み解かないといけない!」といったミッションができたとたん、単語ってよく覚えられるようになるんです。

留目:ああ、当時を思い返してもそうかもしれません。難しい単語でも仕事で何度も繰り返し目にするうちに頭に刷り込まれていく感じでしたね。あと、マニュアルとほかにもよく目を通す必要があった契約書も、複雑で理解するのに苦労しました。言い回しが独特で……。そもそも、出だしからして独特で何度も読み返したものです。

安河内:私も最近、アメリカの会社とビジネスしている関係で、契約書の類いは割とよく読みますが、文体が独特ですね。しかも、読み間違えると大変なことになる。

留目:発電所の契約書って分厚いんです。でも、隅々まで読まないといけない。さらに、まあこれはだいぶ経験を積んでからですけれども、責任が出てくると、契約の交渉ごともやらないといけなくなります。もちろん、ホントのprovision(用意)は弁護士がやりますが、「第何条のあの部分は、こう変えてくれ」といったことを、英語のネゴシエーションで行うといった場面も出てくる。かなり高度なことを求められるようになっていくんです。

安河内:英会話スクールよりはるかに勉強になりますね。「そんなに英語ができなくても、仕事で英語を使っていけばできるようなる」という典型が留目さんだったんですね。

留目:はい。相当辛かったし、プレッシャーもありましたが、やらないわけにはいきませんでしたので。

安河内:社会人なら、できなくても「やります!」と進言して英語環境に身を投じてしまうことは、英語力を飛躍的にアップさせる手ですね。特にさほど責任も大きくない若いうちは、留目さんのように思い切りやすいのではないでしょうか。

*英語がまだまだの状態でも果敢に仕事で英語を使う環境に飛び込んだ留目さん。8月21日(金)に掲載予定の次回では、意外な掟がもっと飛び出します。Don’t miss it!(お見逃しなく!)

 

(構成:山本航、撮影:梅谷秀司)

安河内 哲也 東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師

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やすこうち・てつや / Tetsuya Yasukochi

1967年福岡県生まれ。上智大学卒。予備校講師、教育関連機関での講演などで実用英語教育普及に従事。著書に『子どもの英語力がグンと伸びる最強の学習』(扶桑社BOOKS)など。

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