話せなくても英語の仕事を引き受けろ! 英会話スクールじゃ実力はつかない!?

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留目真伸(とどめ まさのぶ)/レノボ・ジャパン社長、NECパーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役・執行役員社長。1971年、東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業。総合商社のトーメン(現・豊田通商)、デル日本法人、ファーストリテイリングを経て2006年にレノボ・ジャパンに入社。今年4月より現職

安河内:読みというのは、黙読ですか?

留目:いえ、音読ですね。教科書に書いてあることを覚えてしまうくらい、繰り返し音読させられる日々でした。

安河内:その時代に音読を取り入れる先生に当たったのはラッキーでしたね。大学受験はせずに、そのまま早大ですよね。何学部に?

留目:政治経済です。

安河内:お、その当時、ものすごくハードに遊んでいたところだ(笑)。

留目:はい。みんな遊んでいました(笑)。

安河内:早稲田の学生は、今ではすごくまじめになりましたけど、私が学生時代の早大生は、端から見ていても「かなり遊んでいるなぁ」という印象でした。もちろん全員ではありませんが、そういう学生が多かった。当時はまだグローバルだ、英語だと、今のように声高には叫ばれていなかったですし、英語を勉強するのは、私のような英文学科や英語学科の学生だけ。普通の大学生はスルーする時代でした。

留目:僕も一切やらなかったです。TOEICを自分の意思で受けたことなどありませんでしたし。

安河内:となると、大学を卒業した時点では英語はほぼできなかった?

留目:その通りです。新卒で商社に就職したんですが、内定後に会社からTOEICを受けるように言われて、仕方なく初受験しました。スコアは500点ほどでした。

英語研修のクラスは実質ビリ

安河内:私大の偏差値ピラミッドのトップに君臨する早稲田の政経出身なのに、TOEIC500点! 商社でこのスコア、まずくなかったですか?

留目:相当低かったですね。

安河内:今では、商社ではない企業でも新卒採用をTOEIC700点台で切っているところだってあります。

留目:そうですか! 新卒で入った商社でTOEICを受けさせられたのは、英語の社内研修のクラス分けのためでした。5段階ほどあったと記憶しているんですが、帰国子女の連中が一番上のクラスで、500点の僕は下から2番目のクラス。 1番下は体育会の連中でした。「体力はあります!」的な、運動をバリバリやってきた人たちですね。体育会のような特技もない普通の学生だった僕は、実質ビリ。実際、英語を口にすることさえ、ままならない状態でした。

安河内:「これは勉強せねば!」と、社内研修で英語はさぞ頑張ったのでは?

留目:週2回、英語ネイティブの講師による英会話のレッスンを受けました。まずは、基礎的な電話の受け答えとか。新入社員が電話をとるのはどこの企業も同じだと思うんですが、商社でしたから、英語の電話もバンバンかかってきました。配属先で留守番をさせられると、電話が鳴るたびにドキっとしたものです。TOEIC500点だけど、相手の社名と名前、番号を控えて、「折り返します」といった最低の応対はしなければならない。何だかよくわからない名前の人も多くてちゃんと書きとれず、「一体誰からの電話だったんだ?」という事態になってしまったことも。そんなときは、先輩や上司に英語で受けた電話の報告をするのが辛かったです。

安河内:なるほど。社内研修で職場を想定したちょっとした英会話レッスンは受けていたものの、絶対量が不足していたんでしょうね。

留目:まったく足りていませんでした。

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