話せなくても英語の仕事を引き受けろ! 英会話スクールじゃ実力はつかない!?

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安河内:でも、それが今ではグローバル企業の社長さんです。英語の電話の応対で名前も聞きとれず四苦八苦していた20代前半から20年ほどの間に何があったのか? 大半の読者も留目さんと同じく純ジャパ。そして、英語で苦労しています。どんな勉強をして英語ができるようになったか、順を追って思い出してもらますか? できるようになると、どうやって話せるようになったか、みんな忘れてしまいがち。だから、記憶をよーくたどってください!

留目:わかりました。

英会話スクール通いも効果なし!

どんな対応策を?

安河内: 商社に入って、急に英語が仕事で必要になった20代前半。でも、英語の電話を受けても相手の名前が聞きとれない。どんな対応策をとったんですか?

留目:社内研修は、絶対量が足りませんでしたし、さほど役に立った記憶もありません。でも、仕事では使わないといけない。だから、自分で英会話スクールに通いました。そこで学習時間を補おうと思ったんですね。個人レッスンとグループレッスンの両方を受けて。約1年行ったかな。でも、これもあまりうまくいかなかった。

安河内:どうしてでしょう?  「今日は旅行で使う会話を練習しましょう」的な軽いノリの授業でした?

留目:かもしれません。社内研修と英会話スクールのレッスンでは正直、上達しませんでした。

安河内:今は英会話スクールのレッスンもかなり進化していると思いますが、一昔ほど前までは、お友達感覚で50分楽しく話す。教科書もなくて、予習復習もしなくていい。そんなゆる~いところが多かったですからね。

留目:教科書はかろうじてあって、付属のCDを予習で聞いてくるようにといった宿題はありました。ですから、レッスンの行き帰りにはCDは聞き流していました。ただ、ネットで幅広い題材の英語動画が見放題というような今の環境とはまるっきり違いましたから、英語に触れる時間がまだ全然足りなかった。それと、自分の本気度も足りなかったように思います。

鉄則その1:英語を使う環境に飛び込め!

安河内:じゃあ、最初は結局できるようにならなかったんですね。では、レベルアップはどうやって?

留目:仕事で本格的に使い始めてからですね。商社で発電プラントを海外で売るプロジェクトに関わったんです。売るだけじゃなくて、現地に連絡事務所を作って、発電所の建設を実際にやる段階までをマネージしていく仕事でした。

安河内:おお、英語を間違ったら大変だ!

留目:そうですね。連絡事務所の仕事は、日本から来た技術者やメーカーの人が現地の人と打ち合わせをするときのコーディネートを行ったり、英語があまり流暢でない日本のエンジニアのために通訳的なサポートをしたり、議事録を作成したりといったことを行っていました。

安河内:必要に迫られてということですね。商社でがっつり英語を使って仕事をこなさなければならない業務に就き、英語と真剣に向き合わざるを得なくなった。ただ商社であっても、英語をまったく使わないで済む、ドメスティックな業務もありますよね。そういう選択肢はなかったんですか? 上司に泣きついて、「英語ダメなんで、国内勤務にしてください!」と頼んだりは?

留目:学生時代、英語は全然勉強していなかったし、できなかったにもかかわらず、なぜか海外で仕事をしたいと就活中からずっと思っていたんです。仕事だけは大きなことがしたいと。大きな仕事と言えば、グローバルな発電所だ。大きな物を造ったらビッグなんじゃないかと……。単純ですよね(笑)。

安河内:わかりやすいです(笑)。ここで最初の鉄則が出てきました。ずばり「あれこれ考えず、英語環境にまず飛び込め!」ってことですね。ためらわず、英語の世界に飛びこんでしまうのが上達へのいちばんの近道だと。英語ができないにもかかわらず、英語をみっちり使う仕事に就いてしまって、是が非でも英語力を劇的にアップさせなければならない状態に自らを追い込む。発電プラントを海外で売る業務についた留目青年がまさにこの状況だった。

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