将来の自分と定期的に対話をする時間を設けるという提案もある。未来の自分はどのような回答をするか? をくり返すことで、より身近に未来の自分を感じることができるようになるのだ。
考えてほしいこと
この本を勇んで読もうとする前に、1つだけ試してみてもらいたいことがある。
それは、この本を読み終わった後の自分にメールを書いてみることだ。材料は、この序文のものだけを使って、「こんな内容ではないか」というのを想像して送ってしまえばいい。
そうすると、まず「未来の自分との距離が近くなり、親密に感じられる」という体験ができる。さらに、この本を読んだ後の自分の姿を想像することになり、未来の自分の解像度が上がる。本の方向性をある程度わかった上で読み進められるので、理解度も上がるはずだ。私が本書を読んでいちばんに感じたことは、「自分の未来と、親密になろうという発想がいっさいなかった」ということだ。
将来こうなりたい、という状態があったり、その状態を想像できる人は多いと思う。しかし、その未来の自分と、親密な家族や友だちのような感覚を持てている人はどれくらいいるだろうか。おそらく、ほとんどの人が考えたこともないのではないか。未来の自分は、当たり前のように今の未来の自分とつながっているものだ、と感じるのが普通である。
しかし、本書を読んで振り返ってみると、「1年後の自分」すら他人のような距離が感じられ、その人物がどんなに苦労しようが、嫌な目にあおうが、今の自分とはまったく関係ないような感覚があることに驚く。そんな距離感では、今の自分が未来のために行動ができるはずないのだ。まったく知らない他人のために、今の自分の喜びを捨て置き、苦しんでまで行動をするというのは本当に難しいことだからである。
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