「なぜ辞めるの⁉」驚く上司が知らない部下の本心 部下の離職の理由は「たった4つ」に分類できる

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また、厚生労働省が発表している退職理由もこの4つの欲求のいずれかが満たされないことによるものであり、それを当てはめると次のとおりとなります。

①仕事の内容に興味を持てなかった(関係欲求、成長欲求、公欲)
②能力・個性・資格を生かせなかった(成長欲求)
③職場の人間関係が好ましくなかった(関係欲求)
④会社の将来が不安だった(生存欲求、成長欲求)
⑤給料等収入が少なかった(生存欲求)
⑥労働時間、休日等の労働条件が悪かった(生存欲求)

「若者は…」とレッテルを貼らず、部下をよく見る

冒頭の「若い人はストレスに弱いというから仕事の負担を軽くしたら、『この会社はぬるい』と言って若手が辞めました。私はどうすればよかったんですか」という事例に関していえば、バリバリ仕事をこなして早く成長したいという社員に対して、そのために十分な量の仕事を与えず、成長欲求を満たす関わりができていなかったことが離職の原因と考えられます。

また、「仕事がよくできるから部下を昇進させたんです。そしたら辞めたいと言ってきたので、慌てて理由を聞いたら、『昇進したくなかったです』と言われ、そのまま辞めていきました」という事例に関して言うと、昇進して管理職になると残業や休日出勤が増えることがあります。

そうなると、健全な環境で働きたいという生存欲求が満たされにくくなります。

周囲から認められたいという関係欲求を満たすことや、昇進して新たな成長の機会を得たいという成長欲求を満たすことより、残業や休日出勤は避けたいという生存欲求を満たすことの方を重視する人にとっては、昇進は離職の原因となります。

このように、どの欲求が満たされないと離職に直結するのかは、その人の価値観や置かれている状況によって異なります。

そのため、社員の価値観や状況を理解し、より強い欲求を把握し、それを満たすことで、部下の離職の可能性を大きく減らすことが可能なのです。

藤田 耕司 経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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ふじた こうじ / Koji Fujita

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事、公認会計士、税理士、心理カウンセラー。これまで1200件超の経営相談を受け、心理学と会計を活用した経営改善を行う。その経験から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営改善の成果を高める。また、経営心理学を学ぶ「経営心理士」の資格を創設。経営心理士講座の受講生はのべ5000名を超え、その内容は大手企業や省庁でも導入される。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社 日本、台湾、韓国の3カ国で出版)、『経営参謀としての士業戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)。

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