「岸田&バイデン時代」の後に何がやってくるのか 日米関係史の中で「特筆すべき3年間」が終わる

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この年の5月には、広島G7サミットが行われる。ウクライナからウォロディミル・ゼレンスキー大統領がやってきたのもさることながら、筆者の目には平和記念公園でのセレモニーが焼き付いている。

原爆を落とした国と、落とされた国の首脳同士が、共に並んで原爆の犠牲者に花束を捧げる。そしてそのことに対して、異を唱える人がほとんど出てこない。2016年にバラク・オバマ大統領が広島を訪問した際には、数々の障害を越えなければならなかったことを思えば、隔世の感があった。

2023年8月には、キャンプ・デービッドにおいて日米韓首脳会談も行われた。極東にロシアと中国、北朝鮮という厄介な相手がいるにもかかわらず、日韓関係が悪いことはアメリカから見て長らく「のど元に刺さったトゲ」であった。ところが2022年5月に当選したユン・ソンニョル大統領との間で、日韓関係は劇的に改善する。バイデン大統領にとっては「願ったりかなったり」の展開であったことだろう。

アメリカの国賓待遇に応えた岸田首相の議会合同演説

こうして振り返ってみると、今年4月の岸田首相訪米が「国賓待遇」になった意味がわかってくる。同月11日の議会合同演説における岸田氏は、日本国内ではけっして見せないような饒舌さを披露した。あの場で伝えられた以下のくだりは、まさにアメリカが同盟国から「この言葉を待っていた!」というものではなかっただろうか。

世界は米国のリーダーシップを当てにしていますが、米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はありません。
世界中の民主主義国は、総力を挙げて取り組まなければなりません。皆様、日本はすでに、米国と肩を組んで共に立ち上がっています。米国は独りではありません。日本は米国と共にあります。
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