ドラッグ店ゲンキーが地方スーパーを倒せる理由 「売れなくても持続可能」、人口減少に強い仕組み

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(画像:ゲンキーIR資料より)

ちなみにこの1000㎡というサイズ、一般論で言えば、現在の郊外型の食品スーパー、フード&ドラッグの勝ち組サイズ(1500~2000㎡)としては、かなり小ぶりであり、地域一番店になるためには、品ぞろえで負けるサイズとされている。

ただ、彼らの選んだ最適サイズとは、最低限の生活必需品がほぼ揃う店で、かつ、ビジネスとして成り立つ最低限の売り上げを確保できる店、というものであった。そこで出た答えが1000㎡、だったようだ。

この戦略はチェーンストア理論からすれば、至極まっとうな考え方だが、実はここまで徹底したチェーンオペレーションを展開している食品スーパー、ディスカウンターはこれまで存在していなかった。なぜなら、これまで日本の消費者は、鮮度を重視するため「プロセスセンターからの生鮮品供給を許容しない」とされてきたからである。

ディスカウントストアのオーケーとの違い

店舗のバックヤードで最終流通加工(カット、パック詰め、など)を行う、というのが原則であるため、ディスカウントストアとして効率性を重視するオーケーやトライアルであってもバックヤードは稼働させている。

しかし、食品スーパー出身ではないゲンキーにとっては、そんな原則は迷信にしか見えなかったのかもしれない。プロセスセンターで製造した生鮮、惣菜を供給することで、生鮮のコストを下げつつ、そのロス管理を実現したのである。ゲンキーはこれまで「レギュラー店」への切り替え、規模拡大を進め、その結果データを公表している。

レギュラー店による多店舗化が進むほど、売場効率(売場面積あたりの売上)、面積あたり営業利益は改善していくといった結果が得られている。この戦略、かなり成果が出ているのである。

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