ドラッグ店ゲンキーが地方スーパーを倒せる理由 「売れなくても持続可能」、人口減少に強い仕組み

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この300坪店舗は、フード&ドラッグとしての基本構造は持っていて、化粧品、医薬品、雑貨といったドラッグ商材は、売上金額としては小さいものの、利幅が高いため、収益の支えとなっている。

2022年度の時点では、食品のみでは収益が上がる構造にはなっておらず、ドラッグ商材の支えを要しているが、今後は食品でも採算が確保できる構造へと移行していくのだろう。自社製造プロセスセンターの規模の利益、プライベートブランド比率上昇による収益力の強化を進めつつあり、収益力のインフラは着実に整いつつある。出店加速による規模の利益追求のステージに来ているとみていいだろう。

ゲンキーが地方の消費者に重宝される理由

こうして発見した300坪店舗に生鮮、惣菜をはじめとする食品一通りに日用消耗品、雑貨、化粧品、医薬品といった日常生活に必要な商品の大半を品ぞろえしているこの店は、実際にとても便利なのである。特に地方で共働き子育て中の世帯にとっては、近くにあって会社帰り(クルマ通勤が前提)にちょっと不足するものを買い足せるような店、として重宝しているようだ。

また、高齢化の進行で機動力が低下しつつある地方の消費者にとって、近くにあって何でもそろうこの店の利用頻度は高くなるだろう。ただ、この便利店は品ぞろえのいい大きなコンビニのような存在なので、そこまで繁盛するというわけではない。そこそこの売り上げでも維持できる構造になっていなければならない、いわゆる損益分岐点の低い店であることが求められる。ゲンキーのレギュラー店はこの点で優等生なのである。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事