結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。
共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。
そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。
著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、「家族葬」など最近増えている小規模な葬儀について解説する。
コロナ禍が拍車をかけた「葬儀の小規模化・簡素化」
近年、葬儀の「小規模化」「簡素化」が進んでいます。
従来のように、家族・親族だけでなく、知人や地域の人、職場関係者なども集まる葬儀は「一般葬」と呼ばれます。
一般葬では、前日夜に通夜(通夜振る舞い)、当日に葬儀・告別式を行い、火葬・お骨上げをして、初七日法要を経たのち、四十九日法要で遺骨をお墓に埋葬する。というのが一般的な流れでした。
しかし、コロナ禍が葬儀の小規模化、簡素化に拍車をかけました。
その結果、「家族葬」「一日葬」「直葬」といった形態のお葬式を選ぶ人が増えているのです。
今後、多くの人が参列するスタイルの一般葬は減っていくでしょう。
しかし、本当にそれでよいのでしょうか?
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