葬儀は故人のためだけでなく、近しい間柄の人が喪失を受け入れる意味合い、所縁のあった人々がお別れを告げる社会的な意味合いがあります。
故人と親しい間柄にあった人にとっては、葬儀という儀式を通じて、故人との思い出や喪失感などの気持ちを共有することで、死を受容していくという大切なプロセスなのです。
また、葬儀、法事、法要は、遠方住まいでなかなか会えない親族や知人と交流を深める機会でもあります。
「葬儀は面倒と思っていたけれど、連絡したらめったに会えない親族や知人が参列してくれて、故人のためにもやってよかった」
という声もよく聞きます。
20〜30名の「家族葬」が人気
とはいえ、実際のところ、従来のような「一般葬」を行う人は減っています。
親戚付き合いや近所付き合いの希薄化、故人の高齢化によって、関わりのあった人がすでに亡くなっていたり、高齢で参列できなくなっていたりという理由もあるためです。
小規模な葬儀は「家族葬」と呼ばれますが、参列者が家族・親族でなければならないわけではありません。親しい友人・知人などが参列する場合もあります。
そのため20〜30名程度の規模で、親しい人のみで故人をゆっくりと見送れる「家族葬」を選ぶ人が増えています。
最近では、小規模葬儀に特化した葬儀場も増えており、遺族が故人との最後の時間をくつろいで過ごせるように配慮した建物のつくりもあるようです。
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