就職や昇進だけじゃない「資格」の思わぬ副産物 "資格芸人"が振り返る、FP取得後の劇的な変化
相方のワダちゃんは週に5、6日は仕事が入っているのに、僕は週に1日だけとか、そんな日が続きました。そこで空いた時間をアルバイトで埋めるのもいいけど、それより資格を取ろうと考えました。
きっかけは、たまたまラジオ番組でとあるファイナンシャル・プランナーの方と一緒になったことです。その方は元芸人。芸人を辞めてから営業の世界に飛び込んでトップセールスになるなどし、活躍している方でした。
「市川くん、大学で経済学部出たんなら、お金の芸人やったら面白いんちゃう?」。その人にこう言われて「なるほど! その手があったか」と思いました。「ほんなら僕も、資格取ります!」となったわけです。
もともと、お金には興味がありました。ファイナンシャル・プランナーの資格(僕が取得したのは、FP技能検定)は、生活をするうえで必要になってくるお金全般の知識を広く学べる資格です。
具体的には、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」の6つのカテゴリーに分かれていて、それぞれの分野を体系的に学びます。どれも「知らないと損をする」知識ばかりです。
この資格を取れば、ファイナンシャル・プランナー(以下、「FP」とも記載)になって人にアドバイスできるようになることはもちろんですが、何より自分自身がお金に強くなれます。
当時はまだそこまでメジャーじゃなかったこの資格を取ることを決め、専門スクールに通い始めました。この資格こそ僕が初めて取った資格で、その後、資格マスターになっていく道を切り拓いたスタートでもあります。
「宵越しの銭は持たない」のが芸人の世界
時は今から15年ほども前――当時の芸人の金銭感覚って、ハッキリいって、かなりテキトーでした。入ったお金は遊びにパァーッと使っちゃうし、お金がなくなったら先輩に奢ってもらって食って飲んで、なんとかなるっていう感じです。
周りの芸人友だちも貯金なんてしないし、「宵越しの銭は持たない」なんて雰囲気。だけど吉本所属の芸人はほとんどが個人事業主なので、お金の出入りは自分で管理しないといけませんでした。
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