時間に追われる「仕事を断れない人」の深刻盲点 「仕事多すぎ」の原因は、"数値"で断る技術不足
そこで今回は、私の専門であるビジネス数学の立場から「仕事を断るロジック」を作れる人に共通する視点をご紹介し、みなさまの業務改善に役立てていただきたいと思います。
「仕事を断る」のに使える2つの数字
私は研修において、ビジネスシーンで何かを断るためには必ず数値が必要だと伝えています。そしてその数値とは、実はたった2種類しかありません。
それぞれ簡単な事例で説明しましょう。
たとえば仕事に使える時間が6時間あるとします。すでに予定している仕事で使う時間は5時間を見込んでいます。仕事に使える6時間のうち、5時間はすでに予定している仕事に使わなければいけないので、残りの時間は1時間です。そんなとき、上司から、どう考えても2時間はかかる仕事を依頼されました。
もちろんあなたはその依頼を断ることができるでしょう。使える時間が1時間しかないにもかかわらず、2時間もかかる仕事ができるわけがないからです。
断る根拠は子どもでも理解できる算数によるものでしたが、この極めてシンプルな例の中に仕事を断るための重要なポイントがあります。私たちがこのような算数をするためには扱う対象が数値化されていることが条件です。今回の例では仕事を時間に換算しているかどうかです。
すなわち、普段から自分の仕事を時間換算できている人は、時間という数字を使い、「できないものはできない」という理由で仕事を断ることができるのです。
最悪なのはここで「頑張ります」「どうにかします」と言って仕事を預かってしまうこと。特に誠実で真面目な人物ほど、仕事を依頼されたことを嬉しく(ありがたく)感じてしまい、どうしてもこのような姿勢になってしまいがちです。
しかし当たり前のことですが、2時間かかる仕事は1時間ではできません。どう頑張ってもできない。この揺るがない原則を、断る理由にするのです。
上司からある業務をそのまま引き継いだとしましょう。その仕事の進め方はアナログの手作業なども多く、明らかに非効率的なものでした。
おそらくあなたはツールの導入など、多少のコストを発生させてでも効率よく仕事がこなせる手法に変えたいと考えるはずです。これはつまり上司の要求をある意味で「断る」ということになります。
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