ゴルフ用品の国内トップ「ゼクシオ」に新製品投入、アジア・北米市場へ一段の攻勢も--野尻恭・SRIスポーツ社長
日本は震災直後に覚悟したよりはだいぶマシです。思ったよりも回復は早かった。4月の店頭はモノを売る状況にはなかった。が、4月のマスターズごろから練習場には人が増えてきました。ゴルフ場の入場者は7月に対前年で100%を超えた。ゴルフ場には客足が戻ってきています。ゴルフ用品では、ブリヂストンとテーラーメイドのドライバーが市場を牽引し、秋口に入って店頭も活況になってきたようです。ゴルフ業界やメディアも含めて過度な自粛はやめよう、という考えが広がったことが大きい。
年間ではゴルフ用品市場は前年比90%ぐらいまで戻ってくると思っています。悪いシナリオの中ではいちばんマシと言えるでしょう。
--「2015年問題」に代表される長期的な国内の縮小傾向に対するメーカーとして対策は。
ジュニア育成やレディスゴルファーの拡大、シニアにできるだけ息長くゴルフを楽しんでもらうような取り組みが必要。加えて、コアとなるべき30代のエントリーを増やす必要があります。
われわれにできることは、スクールの充実やコンペの支援など。格好のいいプロの育成も重要でしょう。ただし、30代の年収が下がっており、結婚も難しいという社会全体の問題がある。中価格帯の下の商品も出す必要があるでしょうね。
--SRIスポーツはゴルフが9割、テニスが1割。テニス事業の状況は?
テニスもゴルフと同様に国内市場が縮小しています。スクールやプロの育成などを地道にやっていくしかありません。
日本市場で、テニスでのSRIの存在感はゴルフと比べてもはるかに高い。ボールのシェアは圧倒的ですし、ラケットもダンロップ、スリクソン、バボラの3ブランドを合計するとトップ。
海外メーカーから見ると、日本市場は大きいが成長しないのでリソースを投じない。ならば、われわれはもっとシェアを取れるはずです。
--野尻社長はタイヤビジネスからゴルフビジネスに転じて8カ月。どういった感想をお持ちでしょうか。
タイヤ市場は世界的に市場が拡大しているため、どこも潰れません。しかし、ゴルフは世界的にも市場が縮小しているので、勝つか負けるかの勝負になる。負ければ撤退です。事業経営としては、むしろ面白いと感じています。
(山田 雄大 撮影:鈴木紳平、梅谷秀司=東洋経済オンライン)
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