ゴルフ用品の国内トップ「ゼクシオ」に新製品投入、アジア・北米市場へ一段の攻勢も--野尻恭・SRIスポーツ社長
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昨年末からゴルフ用品トップの米アクシネットが売りに出されていた。大手が入札に参加したと言われる中、買収したのは韓国フィラと韓国の投資会社だった。
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--アクシネットは最終的に韓国資本が買収しました。この案件を検討しましたか。
アクシネット買収には多数のメーカーが名乗りを上げたと聞いています。それ以上はノーコメントです。
--SRIスポーツは07年に米国のクリーブランドを買収しました。これで十分でしょうか? 今後のM&Aへの姿勢は?
北米市場でプレーヤーが多すぎる状況にあることは認識しています。ビッグ3でも米国市場ではほとんど利益が上がっていません。よって、M&A案件は今後も出てくるでしょう。その案件をよく見て、シナジーが出るなら前向きに検討します。
一般論ですが、たとえばウチがアクシネットを買っていたとしても、1足す1が2にはならなかったでしょう。重複するブランドがあるため、買収してもリストラが必要になる。米国の会社を買ってリストラができるか、というと難しい。そうした意味でもシナジーを考える必要があります。
--社長は住友ゴム工業時代に中国駐在を経験されています。中国市場に対する考え方や戦略は。
いちばん伸びを期待しているのが中国市場です。ただし、コースが500あるとも600あるとも言われていますが、そのうち70%は正式な認可を得ず、公園などの認可を受けて開発している。そうした問題がある以上、市場も行きつ戻りつするでしょう。ですが、将来的に必ず大きくなる市場であることは間違いない。
中国ではゼクシオを柱に、ボールのスリクソンを押し出していきます。中国でのトーナメントにスリクソンでサポートするなど、露出を増やしています。
SRIスポーツでは、各国市場に権限を与えて、ストラテジーも自分たちで考えなさいというスタンスでやっている。日本は(ハイエンドの)ゼクシオ、(アスリート志向の)スリクソン、(廉価価格帯の)クリーブランドと3本柱が明確ですが、中国でどうするかは現地も悩んでいる。スリクソンはアスリート向けだが、米国ではトーナメントプロは主にクリーブランドのクラブを使ってます。一方、ボールは基本的にスリクソンブランドです。