ゴルフ用品の国内トップ「ゼクシオ」に新製品投入、アジア・北米市場へ一段の攻勢も--野尻恭・SRIスポーツ社長
セブンは、これまで以上にアジア市場で積極的に売る、と大号令をかけています。基本は日本と同じモデルですが、アジア向けには部品の色をシルバーからゴールドにするなど若干の変更をしています。
また、これまではアジアでの販売時期は一定していませんでしたが、今回は中国、台湾、マレーシア、タイでは日本と同じ12月に発売します。ただし、韓国では12月は寒すぎてクラブが売れないため、1月発売となります。
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国内ゴルフ用品市場は、コア・ゴルファーの高齢化で一段と市場が落ち込む「2015年問題」が横たわっており、今後も縮小傾向が続くと予想される。国内用品メーカーの共通の課題は海外展開だ。
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--SRIスポーツとしての海外戦略を教えてください。
現在の売上高に占める海外比率は4割です。これをできるだけ早く5割以上にしたい。そのためにやらなければならないのは北米の強化です。
ゴルフ用品で米国は世界最大市場で、2番が日本。3番が欧州です(単一国としては韓国が3番目)。これら日米欧市場は成熟しており、今後の伸びは期待できません。一方、アジア市場は大きく伸びています。ただし、絶対的な規模としてはまだまだ小さい。
北米ではアクシネット(タイトリスト、フットジョイ)、テーラーメイドゴルフ、キャロウェイがビッグ3で、2番手グループがピン、アダムスゴルフ、ナイキゴルフ、傘下のクリーブランドを含むSRIがあります。クリーブランドの北米でのシェアは5~6%。逆に言えば、まだまだシェアを奪えるはずです。
ただ、2週間前にも出張しましたが、米国でもゴルファーが減り始めています。日本と同じように、若いゴルファーが減っている。こうしたゴルファーの高齢化に対応するために、ゼクシオのコンセプトを入れた軽量モデル、クリーブランド・ブラックを今度出します。
また、「SRIXON(スリクソン)」ブランドで展開するボールのシェアを高めていく必要もある。米国でも下期に入って市況が悪化しており、各社がボールの安売りに走っています。2ダース買うと1ダースはおまけ、といったことをメジャーブランドもやっている。スリクソンはそれをやらせなかったため、シェアは伸びているが、目標数値には達していません。