ちまたにあふれる保険情報はウソだらけだ 保険になんとなく入るのは、間違っている

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「保険は入るもの」との先入観を植え付けている主な原因は、世間にあふれている保険情報にあります。保険に関する情報のほとんどは、「保険を売る(売りたい)側」から発信されています。保険会社や保険代理店、そして銀行などからの保険情報です。保険を売る目的で発信されている情報ですから、どうしても、保険に入るべしのバイアスがかかっています。そこには「保険は必要なのかどうか」についての情報は含まれていません。

この手の情報は売り手側からのものだ、ということは誰でも漠然と知っています。しかし、一見すると中立的な情報のように思えるので、うっかり騙されてしまうのです。なかでも厄介なのは、保険販売とは無縁に思われる、通販会社の保険サイトや保険専門の比較サイトなどです。このようなサイトに保険資料を請求したり、無料の保険相談を申し込むと、その情報は保険会社や保険代理店に有力な見込客情報として流れる(買い上げられる)仕組みになっています。つまり、中立的に見えるサイトの裏側には、保険の売り手が厳然として存在しているのです。

これらの情報に共通しているのは、もっぱら保険商品や保険の仕組みについての説明に終始していることです。

「保険は死亡保険、生存保険、生死混合保険に分類されて……?」「保険料は純保険料と付加保険料で構成されており……?」「保険契約は主契約と特約に分けられて……?」

保険は買うのが当然、だからその中身を詳しく説明するのが当たり前、という姿勢です。枝葉末節の情報を大量に流し、「保険は必要」というフレーズを潜在意識に訴えるサブリミナル効果と言っていいかもしれません。その結果、「保険は入るもの」との感覚が植え付けられてしまうのです。

では、本当に必要な保険情報とはいったいどのようなものでしょうか。

本当に必要なのは素朴な疑問に答えてくれる情報

皆さんは保険について、こんな疑問を抱いたことはありませんか。

・30万人以上の多数の保険営業員をフル稼働させないと売れない「保険」とはいったい何なのか。

・料金の約半分が手数料となるような(保険)商品とは何なのか。なぜここまで手数料が高いのか。

・社会人になると保険のひとつくらい入らなければ、という強迫観念はなぜ生まれたのか。

このような、「何か変だ」と感じる素朴な疑問に答えてくれる情報こそが必要なのです。それは、保険商品や保険の仕組みを知る前に、もっと手前で踏みとどまり、そもそも「保険とは何なのか」「保険は本当に必要なのか」を考えさせるための情報です。

それは「保険リテラシー」とも呼ぶべき、一般常識に近い保険の基本情報です。「計算が難しいから」と食わず嫌いになってはいけません。皆さんは、仮にメカに弱くても自動車、パソコン、スマートフォンを、ある基準に基づいて購入していると思います。そういう最低限の知識がリテラシーなのです。

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