ちまたにあふれる保険情報はウソだらけだ 保険になんとなく入るのは、間違っている

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つまり、保険情報には2段階あるのです。

1番目は、素朴な保険に対する疑問や違和感に答え、「保険が必要かどうか」を判断するための基本情報です。そして2番目は「どの保険商品がよいのか」を選ぶための選考情報です。

1番目は保険に加入すべきかどうかを判断し、必要な保障額と期間を知るための基本情報です。ここさえ理解しておけば、保険営業員や保険代理店から保険の勧誘を受けても、自分で比較検討して適切な保険を選ぶことができます。

自動車ディーラーで車を選ぶ際、自動車のメカや部品についての知識が必要でしょうか。自分のニーズと予算がわかっているならば、ディーラーを何軒か回り何種類かの車を比較して検討すれば、自分の欲しい車を選ぶことができるはずです。保険も同じです。保険が必要なのかどうか、いくらの保障がどれだけの期間必要なのか。そこまで自分で判断できれば、あとは条件を満たす保険のなかで、いちばん保険料の安いものを選べばよいだけなのです。

「保険リテラシー」はどう身に付ければよいのか

2番目の「どの保険商品がよいのか」という情報は、ちまたにあふれています。望めば保険営業員が説明に出向いてくれます。しかし、大切な1番目の情報はなかなか見当たりません。ですから、自分で探さねばなりません。少々面倒ですが、それほど大変なことではありません。意外なところで見つかります。

それは図書館です。そこで保険の本を数冊借りることをお勧めします。選ぶ本のポイントは、著者の中立性です。保険会社、保険代理店のように保険を売る側の著者の本は勧められません。内容がしっかりしたものでも、恣意性が入り込んでいるおそれがあります。完全にニュートラルな立場の著書ならば、どれでも数冊読めば、保険の基本を理解することができるでしょう。もし難しく感じるならば、すぐに読むのをストップして別の本を借りてください。保険の基本情報はわかりやすいものです。簡単なことが難しく書かれているとすれば、決してよい本ではありません。

テレビで見る保険のPR広告はもとより、雑誌やネットで見かける情報は、「保険は入ること」を前提とした2番目の保険情報です。「保険商品ランキング」や「得する保険特集」なども、おおむねこちらに属するものです。すでに図書館の本を数冊読んで「保険リテラシー」を身に付けた人には、それなりに役立つかもしれません。しかし、いきなり2番目の情報から入ると、頭が混乱します。そして「保険は入るもの」と洗脳されてしまいます。

皆さんが日頃見かける保険情報には、くれぐれも注意しましょう。

橋爪 健人 保険を知り尽くした男

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はしづめたけと / Taketo Hashizume

1974年東北大学卒、1984年米国デューク大学修士。日本生命保険に入社後、ホールセール企画部門、米国留学、法人営業部門を経て米国日本生命副社長。帰国後、損保会社出向、ジャパン・アフィニティ(保険ブローカー会社)代表取締役を経て2004年独立。企業向け保険ビジネスのコンサルタントとして活動。著書に『日本人が保険で大損する仕組み』(日本経済新聞出版社)

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