「え!」と思わせるキャッチコピーをつけるコツ 流行は「いい違和感と奥行き」でできている

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これまで多くの流行を生み出してきたファッションディレクターの藤原ヒロシさんは、その話の中で「ブランドにとって大切なのは違和感」であり、さらに「面白いものには奥行きがあり、何かをつくる時にはその奥行きを同時につくることが大切だ」と語る。

それは「間」を生み出し、奥へといざなうロジック。流行はまさに「違和感と奥行き」でできているというわけだ。

デニムでいえば、タグの英語が大文字だとかステッチが違うだけで、「これなんだ⁉」という違和感になり、奥へ進むと「なるほどそうなんだ! 」という話したくなるストーリーが待ち構えていて、その話に魅了され、いつしかそのブランドのファンを超え、語り手となる。

「違和感と奥行き」が「間」を生む

人の注意を引き付け、奥に引き込む「間」を生むには、①「違和感」をつくること、②「奥行き」をつくることの2つが鍵。すなわち、「えっナニ!?→へえ面白い!」という、驚きから興味への連鎖をつくればいい。

「人は笑う前に驚いている」とは、盟友のクリエイティブ・ディレクター高崎卓馬の言葉だが、確かに笑いが起こる前には必ず「え!」という驚きがあり、そこから「なあんだ」という安堵が訪れて笑いになる。

その昔、桂枝雀師匠も「笑いは緊張と緩和から生まれる」という話をしていたように、感情を揺さぶるにはまず心の振れ幅を生むことが必要だ。ただこれは笑いにとどまらず、「えっナニ!? 」のあとに「なるほど!」(納得)でも「わかる~」(共感)でも「ありがとう」(感謝)でもいい。

驚きの先で感情が強く揺さぶられれば、「なんだろう?」という違和感から興味が生まれ、好意となり、話したくなる。

例えば、いっときバズりまくった「10分モンブラン」はその名前だけで「なんだろう」と思わせ、「10 分後には食感が変化するのでテイクアウト禁止」などと奥へ引き込み「食べてみたい」という感情を揺さぶった。

同じ手法をパクる店も出てきたが、ただ真似ただけのアイデアでは驚きがないから「間」が生まれない。やはり新しいアイデアで違和感と奥行きを生むしかないわけだ。

僕たちの日常は目まぐるしく流れていく。その流れに棹さして考える一瞬を生むには、あたりまえのことでは無理。それ相応の「違和感」が必須だ。ただ違和感を追い求めすぎると、週刊誌のゴシップように人の興味をそそるだけの「悪い違和感」も生まれるので、できるだけ幸せを想像して違和感を生み出すのがよいだろう。

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