コメだけじゃない!食材不足からの「和食危機」 「令和のコメ不足」に陥っている4つの要因

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コメはここ数年、人気者だった。ロシア-ウクライナ戦争で小麦価格が上昇し、質が上がっていた米粉がブームになった。昨年、ぐるなび総研の「今年の一皿」に「ご馳走おにぎり」が選ばれるなど、おにぎり専門店が各地に増え、おにぎりブームが起きていた。

が、足元のコメ不足を受けて、おにぎり専門店などでは卸売業者などと定期的な契約をしている店でも、4月からコメ不足を感じており、中には今月に値上げする店も一部出てきそうな状況だと、おにぎり協会の中村祐介代表理事は語る。

「猛暑で品質の低下も起こっていることもあり、別の品種に切り替える、炊飯に工夫を凝らすなど、臨機応変に対応しおいしさを担保する努力をしている店もあります」(中村代表理事)

コメ不足を助長する4つの要因

背景にある「コメの需給バランスについては、今年は転換点と言えそうです」と中村代表理事は語る。

そのポイントは4つ。1つは長く続いた減反政策の影響が今も残り、作付け面積が減少していたこと。2つ目は生産者の高齢化で、コメの生産に携われる人が減っていること。ところがコロナ明けで、外食・中食の需要が増加し、インバウンド客の急増も加わって、消費が増加していることが3つ目の要因だ。4つ目は輸出が増えていること。生産は減っているが、需要は増えているのだ。

農林水産省が発表した6月末時点での2024年産主食用米の作付け意向調査によれば、16道県で前年実績より作付け面積が増加する。

「とはいえ昔と違い、コメは価格が低迷し、生産者にとって利益が低い商売になってしまっています。近年は飼料用米のほうが需要もあり、補助金なども多かったんです。今は一部見直しされましたが、今需要があるからといって、生産者がすぐ単純に主食用米に転換しよう、とはなりづらいかもしれません」(中村代表理事)

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