「家族バラバラで被災」したら子の命をどう守るか 東日本大震災などのパパママの体験談から学ぶ

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とにかく職場を出て車で夫の職場へ向かい、合流できたのは午後7時を過ぎていました。自宅に帰れたのはそれからさらに1時間後。帰宅直前にママ友から電話がかかってきて、「子どもたちはうちで預かっているから、安心して帰ってきて」とのこと。

震災後、ようやく子どもたちの元気な声を聞くことができ、安堵のあまり夫と一緒に車の中で抱き合って号泣しました。

子どもに伝えておくべきだったこと

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帰宅後の子どもたちの話によると「家に確実に親がいる人は集団下校で、親がいない人は学校で待機」と言われたそうです。

その日、私の仕事が休みだと思っていた子どもたちは、集団下校で付き添いの先生と一緒にうちに帰ってきたそうです。

私が家にいないことがわかり、先生と学校へ戻ろうとしていたときに、私の電話を受けたママ友が駆けつけてくれて、私たちが帰るまでそのママ友宅で過ごしていました。

また、周辺の学校のほとんどは、親が迎えにくるまで学校で待機していたといいます。親が迎えにこられずに、学校に泊まった子どもも多くいたそうです。自家発電がない学校では、暗闇の中で食べものもなく不安だったことでしょう。

一方、暖かい家の中、ろうそくの明かりで、友達と楽しくトランプをしながら待つことができた私の子どもたちはラッキーでした。

子どもには「もしも地震や台風など、災害があって、ママとパパが家に帰れないとき、連絡がつかないときは、◯◯ちゃんの家に行って待たせてもらいなさい」と伝えておくべきだったと思います。そうすれば、私自身も不安にならずに落ち着いて行動できたでしょう。いざというときの対応を家族で話し合うことの大切さを痛感しました。

全災害対応!最新子連れ防災BOOK
(画像:『全災害対応!最新子連れ防災BOOK』より)
冨川 万美 特定非営利活動法人ママプラグ・アクティブ防災事業代表

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とみかわ まみ / Mami Tomikawa

青山学院大学卒業後、大手旅行会社、PR会社を経て、フリーランスに転向。東日本大震災の支援活動を機にNPO法人ママプラグの設立に携わる。子育ての当事者が自ら学び、自ら考え、自ら動く「アクティブ防災」を提唱し、防災講座、ファシリテーターの育成を行いながら、「東京防災」監修など、官公庁や自治体の防災対策への協力や、書籍、雑誌などで監修を務める。

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