ユーロ発「世界危機」、「銀行破綻」で新局面、資本増強は焦眉の急

総資産約60兆円を抱える仏・ベルギー系大手銀行デクシアが、10月10日、政府支援の下に解体され一部国有化されることが決まった。2009年秋の欧州債務危機勃発後、初の実質的な“銀行破綻”。危機は新たな局面へ突入した。

破綻の直接的原因は、金融市場からの資金調達の困難化だ。ただその背景には、ギリシャやイタリアなどの国債保有額が大きいことで、市場の不安が高まっていたことがある。またデクシアは資金の市場調達の割合が比較的多く、短期の資金を長期の自治体向け融資などで運用していた。欧州中央銀行(ECB)による資金供給支援にも限界があった。

欧州銀行監督機構(EBA)が7月、欧州連合(EU)域内の90行に実施した特別検査(ストレステスト)では、デクシアは「不合格」8行の中に入っていない。もともと同テストは、ギリシャの10年物国債の想定ロス率を25%とするなど(市場での実態は50%超)、リスクの前提が甘すぎるとの批判が強かった。今回の件で信頼性は完全に失墜。「ストレステストには流動性リスクまでは織り込まれていないなど、やり方自体に問題が多かった」とSMBC日興証券の伴豊・シニアクレジットアナリストは指摘している。

デクシアは氷山の一角 民間向け融資にも懸念

焦点は「第2、第3のデクシア」が出てくるか。「ストレステストに合格した銀行がこうなったことは、少なくとも7月から事態は悪化していた。他に波及しないよう公的管理にしたことは評価すべきだが、根本的解決とはいえない。他の銀行を含め懸念は残る」と、国際通貨研究所の山口綾子・上席研究員は懸念する。デクシアは“氷山の一角”というのが専門家の見立てだ。

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