「世渡り上手な人」が大きな結果を出せないワケ 「干された時」こそ相手の懐に入るチャンス

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なんとなく小狡く、なるべく怒られないように過ごした。

それを見抜いた厳しい医師たちから、僕はとことん嫌われたのだ。目立ちたがり屋で、いいところばかり欲しがり、それでいて泥臭い努力をなるべく減らそうとする。僕はきっとそんな人間に見えたことだろう。

一番話しづらい人に話しかけ、一番やりづらいことをやる。これを意図的にちょっとずつ避けていた。つまりいろいろな問題を正面突破せず、なるべくコストがかからないよう自分が傷つかないよう側面から突破しようとしていたのだ。

麻酔科の女性医師、S先生に相談できたのも、恐ろしいおじさん外科医たちに体当たりしなかった結果だったかもしれない。S先生ならばきっと褒めて背中を押してくれるに違いない、そういう卑しい魂胆が僕にはあったのだ。やっぱり狡い。

人の懐に入るための3つの心得

きっと、S先生にはバレていたに違いない。外科医上司ではなく自分に相談したり頼ったりしてくるのは、きっと本質から逃げているからだろう、と。その上で、生意気な若手外科医の相手をしてくれていたのだ。感謝してもしたりない。

編集者さんから、「人の懐に入るために、1年目で心がけておくことはありますか」と尋ねられた。そんなもの、僕が知りたい。

でも、上司の立場である今になって思うのは、正直で素直に、行きづらいところにも突進していくようなやつは男女問わず、その人の能力を問わず僕は好きになるだろう、ということだ。

「正直さ、素直さ、そして正面突破」。

これらが大切なんだと思う。ちなみに、これは僕の言葉ではない。僕を作家にしてくれた伝説の編集者にして幻冬舎社長の見城徹さんの言葉だ。

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