「認知症とお金」症状が進んだ時の医療・ケア費は? 骨折や脳卒中などを合併したら負担はさらに増

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ポイントは、認知症が進行していくほど、医療費よりも介護、ケアにかかる費用や手間の問題が大きくなるということだ。実際、先の図を見るとインフォーマルケアコストや、ヘルパーなどによる公的な介護費のほうが圧倒的に多くなる。

その背景には、認知症の進行に伴う症状の変化がある。認知症が進むと自分でできることが少なくなるため、日常生活におけるさまざまな場面で介助が必要になるケースが増えるのだ。

公的な制度である介護保険は2000年から始まった制度で、市町村が認定した要介護度に基づき、利用者はニーズに応じたサービスを受けられる。通常は、要介護度をもとにケアマネジャーが通所介護(デイサービス)や訪問介護といったサービスケアプランを作成し、それにそった介護サービスを受けることが多い。

家族介護の負担が大きい日本

ただし、介護サービスは内容や回数などに限りがあるため、そこに当てはまらない介助に関しては、「インフォーマルケア」として誰かが担う必要が出てきてしまう。

厚生労働省の調査(2022年国民生活基礎調査)によると、要介護者(認知症以外を含む)を介護しているのは、同居の家族・親族が5割弱。別居の家族らを含むと、ほぼ6割で家族・親族が担っていることになる。

加えて、介護する人の半数以上は60歳以上である。「介護を担う人の多くはすでにリタイアしているか、そもそも働いていない可能性があります」と五十嵐さんは言う。

認知症とお金
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