「認知症とお金」症状が進んだ時の医療・ケア費は? 骨折や脳卒中などを合併したら負担はさらに増

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MCIの時期は記憶力などが低下しても日常生活にあまり支障はなく、そこから認知症に進む人もいる一方、正常に戻る人もいることが知られている。病気が進んだとしても、本人にはできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で安心して暮らすことが求められている。

そして自分らしく暮らすためには、どうしても医療、介護、生活にかかる費用が必要になってくる。

医療費よりもケアにかかる費用が増

では、認知症になるとどれくらいの費用負担が発生するのか。

五十嵐さんのまとめでは、中等度の認知症で在宅ケアを受ける場合、診察、投薬、検査などにかかる医療費にざっと月間3万5000円、ヘルパーや入浴介助など頼んだときに生じる公的介護費に11万円、それ以外のインフォーマルケアコスト(公的な制度を使わないケア)に22万円がかかる。合計で月間37万円ほどだ。

同様に、高度認知症になると、医療費が4万6000円、公的介護費が17万円、インフォーマルケアコストが31万円、合わせて月間52万円かかる(MCIと軽度認知症については1回目をご覧ください)。

認知症とお金

いま紹介した金額は、いずれも健康保険や介護保険が適用される前の金額。医療費と公的介護にはそれぞれ公的保険が適用されるので、自己負担は1~3割となる。

このほか、ひと月の医療費の自己負担が、年齢や収入に応じて設定される限度額を超えたぶんは、あとで払い戻される制度(高額療養費制度)もある。高額な介護費用と合算して限度額を設ける制度(高額医療・高額介護合算療養費制度)もあるため、実際に支払うのは1~3割よりも少ない。

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