「脳トレ」より効果的、認知症を防ぐ簡単な習慣 いかに脳の機能をフル回転させるかがカギ

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頭を使うというと、よく認知症の予防のために数独やクロスワードパズルなどのいわゆる脳トレになるようなものを思い浮かべたり、実際にすでに取り組まれていたりする方もいるのではないでしょうか。

これ、決して不正解ではないのですが、同じことをやり続けると、どうしてもコツとか慣れなどが生まれてしまい、脳への刺激が減るように感じます。私は、まったく意味がないとは思わないのですが、「脳トレ」は残念ながら、認知症予防という観点からはあまり効果はないかもしれないという海外の研究結果もあります。

そこで、私ハシモトマサヨシが実際に、治療の際に伝授している方法をご紹介します。それは、外出して、コミュニケーションをとることです。

脳は目や耳や鼻などの感覚器官でキャッチした情報を認識し、認識した情報をもとに考え、それに基づいて言葉にしてコミュニケーションを図っているからです。

何気ない会話でも脳は「フル回転」している

つまり脳の機能をフルに使うのが、外出でありコミュニケーションなのです。相手の目を見て、耳で聞いて、匂いも嗅いで得た情報をインプットして、統合処理して、さらに相手のことを考えながらなにを伝えるのか判断し、実際に言葉や身振りでそれらをアウトプットする。

一見、何気ない会話でも、とてつもない高度な処理が脳内で行われています。だから脳の機能を保つには、人と話すことが大切なのです。

従来、脳細胞は加齢とともに減少する一方だと考えられていました。しかし、近年の研究で記憶をつかさどる海馬という部分に、神経細胞を新たに生み出す幹細胞が存在することがわかりました。つまり、脳をよく使うことで減った神経細胞を増やすことができるのです。

一度落ちた認知機能が大きく改善するかといったら疑問は残りますが、脳はまだまだ解明されていないことだらけの器官だけに期待も持てます。

実際に、その人のことをまったく忘れてしまった認知症の患者さんがある日、突然思い出してくれたという例もあります。過度な期待はできませんが、前向きに脳を鍛えることは大切だと思っています。

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