株価暴落「不動産絶好の買い場」やって来るのか? 「住宅購入で損する人」いつも知らない視点3つ

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政府、日銀による超金融緩和が長く続いた結果、これまで都市部のマンションは値上がりし続けた。

しかし冒頭で解説したように、株価の下落にともなう不動産価格の下落が、まもなく起こるかもしれない。

マクロで「お金の流れを考える」ことがカギ

ただ、今後日本の総人口はますます減り、空き家も急増する。経済も好調とはいえないなか、世界最悪水準の政府債務を抱えている。

現在の日本では、家計と企業には預貯金があり、政府には大きな債務が存在する。

解決困難な人口問題や巨額政府債務、それに円通貨の信頼性を裏打ちする日銀の資産の中身やバランス・シートが「国債まみれ」の危うい現実に拍車がかかれば、財政の持続性がさらに懸念される状況に陥る。

そして「円の信用」が大きく落ちれば、激しい物価上昇(インフレ)につながりやすく、実物資産である不動産も優良物件だけが買われていく。

預金や債券など円ベースの金融資産の価値がインフレで落ちるため、資金が一握りの優良な不動産や株に向かって逃げ出すためだ。

こうしたお金の流れを押さえておくことが、何より重要だ。

不動産が証券化・金融化された結果、住宅価格は日々変動しうる時代に入った。

それに加えて街の様子や住環境も、人口減や再開発などによって、10年後、20年後にはまったく違うものになるかもしれない。

住宅市場の流れは、人口に連動したお金の流れそのものである。

このことを知らないと、将来後悔する物件のローンを何十年も払い続けることになるかもしれない。

しかし、多くの消費者は過去の「常識の延長」で買ってしまう。

「残念なマイホーム購入者」の数が高止まりにならないよう、切に願う。

山下 努 不動産ジャーナリスト

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やました つとむ / Tsutomu Yamashita

朝日新聞経済記者、朝日新聞不動産業務室員を経て、現在はフリーの経済ジャーナリスト・経済アナリスト。1986年朝日新聞社入社、大阪経済部、東京経済部、『ヘラルド朝日』、『朝日ウイークリー』、「朝日新聞オピニオン」、『AERA』編集部、不動産業務室などに在籍。2023年朝日新聞社退社。不動産業(ゼネコン、土地、住宅)については旧建設省記者クラブ、国土交通省記者クラブ、朝日新聞不動産業務室などで30年以上の取材・調査経験を誇る。不動産をはじめとする資本市場の分析と世代会計、文化財保護への造詣が深く、執筆した不動産関連の記事・調査レポートは1000本以上に及ぶ。

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