政府、日銀による超金融緩和が長く続いた結果、これまで都市部のマンションは値上がりし続けた。
しかし冒頭で解説したように、株価の下落にともなう不動産価格の下落が、まもなく起こるかもしれない。
マクロで「お金の流れを考える」ことがカギ
ただ、今後日本の総人口はますます減り、空き家も急増する。経済も好調とはいえないなか、世界最悪水準の政府債務を抱えている。
現在の日本では、家計と企業には預貯金があり、政府には大きな債務が存在する。
解決困難な人口問題や巨額政府債務、それに円通貨の信頼性を裏打ちする日銀の資産の中身やバランス・シートが「国債まみれ」の危うい現実に拍車がかかれば、財政の持続性がさらに懸念される状況に陥る。
そして「円の信用」が大きく落ちれば、激しい物価上昇(インフレ)につながりやすく、実物資産である不動産も優良物件だけが買われていく。
預金や債券など円ベースの金融資産の価値がインフレで落ちるため、資金が一握りの優良な不動産や株に向かって逃げ出すためだ。
こうしたお金の流れを押さえておくことが、何より重要だ。
不動産が証券化・金融化された結果、住宅価格は日々変動しうる時代に入った。
それに加えて街の様子や住環境も、人口減や再開発などによって、10年後、20年後にはまったく違うものになるかもしれない。
住宅市場の流れは、人口に連動したお金の流れそのものである。
このことを知らないと、将来後悔する物件のローンを何十年も払い続けることになるかもしれない。
しかし、多くの消費者は過去の「常識の延長」で買ってしまう。
「残念なマイホーム購入者」の数が高止まりにならないよう、切に願う。
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