「交際経験ゼロ」40歳の彼が結婚に辿り着いた軌跡 ただ「スン…と生きていた」人がつかんだ結婚生活

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千恵さんは中学生のときに仲の良かった両親を病気と事故で相次いで亡くした経験がある。資産があったので何不自由なく成人になったと振り返るが、兄とは気が合わずにお互いに家庭を持った今も交流はない。一人で生きる力が強い女性、と言えそうだ。

「恋愛相手の年齢や性格には一貫性がありません。共通点はすべて友達になってから自然と恋愛関係になることです」

居酒屋などで一緒に飲んでいて仲良くなることもあったという千恵さん。誰かから恋人候補を紹介されることは好まなかった。紹介者に気を遣うと自分の思い通りにできなくなってしまうからだ。

「誰とも結婚に至らなかったのは私の性格に難があったからだと思います。感情の起伏が激しくて、相手を振り回してしまっていました」

相手に求めた2つの条件

高校生時代からほぼ一人で生きてきた千恵さん。一人でやれることはやり尽くしたという思いに至ったのは30代半ばを過ぎてからだった。

「自分だけのために生きるのは空しいと思ったんです。でも、友達から恋人になるという今までのパターンだと(わがままになりすぎて)うまくいかないこともわかっていました」

あえて赤の他人と出会うことに決めた千恵さん。まずは1カ月間だけマッチングアプリを試し、結果が出ないようならば結婚相談所に入会すると決めた。37歳のときだった。

「ボヤボヤしながら歳を重ねるつもりはなかったので、アプリも最初から有料コースにしました。女性は無料利用が多いのですが、真剣度を相手に伝えたいと思ったからです」

相手に求めたのは2点。1点目は、年収500万円以上の正社員であること。千恵さんは「お父さんが偉い」という家庭で育ったため、結婚したら自分が外で働き続けるか否かを配偶者の判断に委ねるつもりだったからだ。

2点目は「ユーモアに富んだコミュニケーションができること」だ。これは1点目より難易度が高いと筆者は思う。会話の楽しさや立ち居振る舞いのスマートさをお見合い相手などに求める独身女性は多いが、異性との接し方は主に経験によって磨かれるものだ。それを真面目な独身男性に求めるのはやや矛盾した要望だと言える。

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