それでも「子連れ出勤」を薦める理由 実践するのは決して簡単ではないけれど・・・

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それらの企業の多くは、「子連れ出勤」に興味はあるが本当に実現可能なのか半信半疑、まずは実際のところを見てみたい、という段階ではないだろうか。筆者も1歳児の母として、子どもの相手をしながら仕事をするというのはそう簡単ではないと感じている。子連れ出勤をする当人の仕事ぶりはもちろん、周りの社員への影響も気になるところ。同社の西村琢社長と実際に子連れ出勤を経験しているスタッフの話から、子連れ出勤の可能性を探った。

必要なのは、みんなのちょっとずつの努力

「子連れ出勤がメインの選択肢になるとは思わないが、一つの選択肢としてあるのではないか。大きい組織でもできるものと確信している」と話す西村社長

現在同社では、週2、3日勤務のパートタイムスタッフ2名が、常時子どもを連れて出勤している。そのほか、微熱があって保育園に預けられないなど、事情があるときにのみ子連れ出勤をするスタッフが、フルタイムとパートタイム合わせて7名。子どもたちの現在の年齢は、0歳から4歳だ。

最初のきっかけは2年前。スタッフのひとりに子どもが生まれたことだった。

「有能な彼女がいなくなっては困るので、子どもを連れてきてもいいから続けてほしいとお願いしました。子連れ出勤制度を導入しようと大上段に構えたわけではないんです」と、西村社長は振り返る。

「まずは2カ月やってみて、問題なければ続けましょう」ということで始めたところ、「意外といける」ということがわかった。
「簡単だとは言いたくないですが、そんなに難しい話ではありません。会社と従業員と子どもたちの、ちょっとずつの努力と工夫によって成り立っていることです」(西村社長)

会社としてやったことは、子どもの安全のためにデスクの角を梱包材で覆ったり、子どもが自由に動き回れる土足禁止のエリアを設け、それ以外のエリアとの間に簡単な柵を設置したりといったことで、コストはほとんどかかっていないという。

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