東芝、西室相談役"フライング発言"の意味 経営刷新委員会の人選を事前に公言
「(東芝では)社長、会長を経験した人が80歳になるまで相談役というポジションで、必要に応じてアドバイスをする」と言う西室氏自身、今年12月で80歳を迎える。今後の東芝を率いる社長、会長について、「コーポレートガバナンスが分かっている弁護士、会計士、企業経営者など、適任者がいれば誰でもいい」(西室氏)と話す。
無論、新たにトップを選ぶのは西室氏ではない。それに関わるのは経営刷新委員会であり、指名委員会だ。東芝グループで社長も務めたあるOBは「思い切って若い世代に託せば東芝は必ず蘇る」と話す。「歯を食いしばってでも社内からいい人を選ばないといけない」(東芝幹部)という声もある。関係者によれば、今のところ会長は社外、社長は社内からというのが有力だ。
誰が企業風土を変えるのか
社長続投との見方が出ている室町氏(65)は2008年に取締役に就任し、副社長を務めた後、2012年には常任顧問に退いた。経緯は不明だが翌年になって取締役に復帰。2014年に会長に昇格している。東芝社内では「社長レースには敗れたが、候補の1人だった」という声もある。だが、出戻りのトップが、非常事態の中で強い求心力を発揮できるのかは疑問符がつく。
東芝グループの従業員は約20万人。第三者委員会の報告書は「東芝においては、上司の意向に逆らうことができないという企業風土が存在していた」と断じている。過去のしがらみを断ち切って再生を図るには、大胆な世代交代が必要なのかもしれない。
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