なでしこジャパンはなぜ世界一になれたのか? 平田竹男著
女子ワールドカップドイツ大会でのなでしこジャパンの優勝は歴史的快挙だった。監督も選手も偉いが、決勝トーナメント初戦のドイツ戦が優勝へのカギだったと著者は分析する。主催国ドイツが自らに有利なようにトーナメントの日程を組み上げていたところへ日本がドイツに勝ち、その道程へうまくはまったというのだ。これこそ国際試合を有利に組む「マッチメーク」で、その重要性をめぐる持論が展開され、読ませる。
女子サッカー連盟ができて22年、その歴史は茨の道だった。スポンサー企業の相次ぐ撤退と無料試合でもまばらな観客席という存亡の危機を乗り越えて、いかに世界の頂点に立ちえたのか。サッカー協会専務理事としてその育成に苦労し、なでしこの命名にもかかわった著者だからこそ知りうる秘話、苦労話も興味深い。澤をはじめとした選手たちの横顔も楽しめるが、終章は世界一を続けるための強化策として逆台形モデルが提唱されている。(純)
ポプラ社 1365円
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