東出昌大が「動物の売買市場」で受けたショック アフリカで向き合った「食と幸せ」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「昨今ではアニマルウェルフェアといって、家畜でも苦痛を与えないよう屠畜する考え方が世界的に広まっていますが、これが現実だよな、と。自分はわかったつもりになっていただけだなと感じました」と語る東出は、動物のリアルな売買の現場に頭で理解していた以上にショックを受けたようだ。

解体されるヤギを見て、生命をどう感じるか

マーケットを巡ったのち、ヤギを購入して、その場で食すことになった2人。このとき市場で、業者がヤギを捌くスピードに驚いたという東出。

「彼らは、自転車もそのあたりにある鉄の棒を叩いて伸ばして、溶接して修理するんです。ヤギも研ぎまくったペラペラの薄いナイフ1つで捌く。研ぐのも、そのへんにある鉄の棒とかお互いのナイフを利用して研いで。その場にあるものだけで物事を解決する〝地力〞が本当にすごくて、自分は温室育ちだなとつくづく思いました」と顧みる。

ミートマーケットの様子(写真:大和書房提供)

一方、捌いたヤギを現地の焼き場で実食できるよう、焼き場の交渉を素早く済ませたひろゆきは、「日本と違ってこっちは土地が余ってるので、ちゃんと運動しているヤギなんで美味しかったです」と笑顔でもぐもぐ。

東出は、ミートマーケットを振り返り、こう話す。

「いつも僕は、動物を殺すたびに可哀想とは思うんです。でも、ザンビアの方たちは動物を殺すこと=食べることみたいな感じで喜びに直結していて、ひいては『生』の実感を得ている。その発想は日本人にはないもの。むしろ生き物の権利だとか、建前を言うのが日本人で、それが進歩的な考え方だとさえ思われていますよね。動物を捌いて食べて、を繰り返すなかで幸せを得ている彼らと、僕たち日本人。どっちが生き物としての人間本来の姿なんだろうと思いました」

その後、ザンビア国境の街チパタにやってきた2人が泊まったのは、ファギブゲストハウス。寝室の他にテレビやダイニングテーブルのあるリビングも使える、広々としたつくりのゲストハウスだ。

【写真】ミートマーケットを訪れる東出とひろゆき
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事