東出昌大が「動物の売買市場」で受けたショック アフリカで向き合った「食と幸せ」
ここでは、オーナーの父娘を手伝って、夕食を作る東出がいた。出発が朝早かったため、睡眠の足りていないスタッフもいるだろうと考え、この日は宿で夕飯も済ませた方がいい、そのために自分も調理を手伝おうと考えたのだ。
誰かのためにご飯を作るということ、夕焼けを眺めるのんびりとした時間の流れ、子どもたちが遊ぶ声を聞きながらタバコを吸うふとした〝間〞。旅先でも、ゆっくり過ごすと見えてくるものが変わってくる。
東出が料理を始めたきっかけ
晩餐に並んだのは、スパイシーなチキン、ケールとトマトと玉ねぎの塩炒め、そしてご飯にビール。ロケもなく、すっかりリラックスした豊川Dが顔に米を付けたままチキンにかぶりつくシーンも。
徐々に旅のコック的存在になっていく東出。その味は、ひろゆきも認めるところとなった。普段の山奥での暮らしでも自炊をしているそうだが、料理を始めたきっかけは両親が共働きだったからだという。
「子どもの頃、食事代としてもらったお金で好きな食材を買った余剰分が、自分のお小遣いになったんです。そこで工夫して料理することを覚えました」
確かにできあがった惣菜を買うより材料を買った方が安い。そうして東出少年の料理の腕はメキメキとあがっていった。
「役者という仕事柄、ロケ弁や外食が続くこともあるんですが、気持ち的にはしんどいんですよね。やっぱり誰かが作ってくれたものを食べたい。どこか家庭の味みたいなものが好きなんでしょうね」