日本の最高学府・東京大学はどう変貌するのか 東大総長・藤井輝夫氏が「変革ビジョン」を語る

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より大事なことは、大学が生み出してきた知をむしろアカデミアの外の皆さんと共有していくことです。逆に言うと、どのような学知が求められているかということを、「学外の皆さんとの対話」と私たちはよく言っていますが、対話を通じて何が求められているかを見出していく。むしろ学外の皆さんと一緒に知を生み出していく、知を共創すると言っていますが、そういう関わり方の重要度が増していると考えています。

その意味では、大学という機関はやはり社会の中でいろいろなセクターの方々をつないでいき、そこで知を共有していく、あるいはつながった方々と一緒に知を生み出していく。そういった役割が求められているのだろうと思います。

堀内:なるほど。いまのお話をうかがって、今後はより社会との関係を深め、人類共通の課題解決に象徴されるように、社会に積極的にコミットしていく方針だと理解しました。

世界のアカデミア・ネットワークにおける存在感

藤井:そうですね。その上で、Times Higher Educationなどのいわゆる大学ランキングというものがありますが、世界の大学の中で、日本にある、東京にある大学としての東京大学が、世界のアカデミアのネットワークにしっかりとポジションを有している、ということが重要だと考えています。

さまざまな指標の取り方がありますが、それでもやはりTimes Higher Educationの議論に加わったり、あるいは国際会議があればプレゼンスを示しにいったりしていかなければならないだろうとは考えています。

いたずらにランキングを上げるために何かをしようとは考えていませんし、世界のアカデミアの人たちとしっかりつながっていけるということのほうが重要だろうと思っています。

後編に続く)

藤井 輝夫 東京大学総長

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ふじい てるお / Fujii Teruo

1964年、スイス・チューリヒ生まれ。麻布中学校・高等学校、東京大学工学部船舶工学科卒。東京大学大学院工学系研究科船舶海洋工学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は応用マイクロ流体システム、海中工学。理化学研究所研究員、東京大学生産技術研究所長、東京大学理事・副学長などを経て、2021年に東京大学第31代総長に就任。

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堀内 勉 多摩大学社会的投資研究所教授・副所長、HONZ

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ほりうち つとむ / Tsutomu Horiuchi

外資系証券を経て大手不動産会社でCFOも務めた人物。自ら資本主義の教養学公開講座を主催するほど経済・ファイナンス分野に明るい一方で、科学や芸術分野にも精通し、読書のストライクゾーンは幅広い。

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