より大事なことは、大学が生み出してきた知をむしろアカデミアの外の皆さんと共有していくことです。逆に言うと、どのような学知が求められているかということを、「学外の皆さんとの対話」と私たちはよく言っていますが、対話を通じて何が求められているかを見出していく。むしろ学外の皆さんと一緒に知を生み出していく、知を共創すると言っていますが、そういう関わり方の重要度が増していると考えています。
その意味では、大学という機関はやはり社会の中でいろいろなセクターの方々をつないでいき、そこで知を共有していく、あるいはつながった方々と一緒に知を生み出していく。そういった役割が求められているのだろうと思います。
堀内:なるほど。いまのお話をうかがって、今後はより社会との関係を深め、人類共通の課題解決に象徴されるように、社会に積極的にコミットしていく方針だと理解しました。
世界のアカデミア・ネットワークにおける存在感
藤井:そうですね。その上で、Times Higher Educationなどのいわゆる大学ランキングというものがありますが、世界の大学の中で、日本にある、東京にある大学としての東京大学が、世界のアカデミアのネットワークにしっかりとポジションを有している、ということが重要だと考えています。
さまざまな指標の取り方がありますが、それでもやはりTimes Higher Educationの議論に加わったり、あるいは国際会議があればプレゼンスを示しにいったりしていかなければならないだろうとは考えています。
いたずらにランキングを上げるために何かをしようとは考えていませんし、世界のアカデミアの人たちとしっかりつながっていけるということのほうが重要だろうと思っています。
(後編に続く)
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