いまお話ししたようなことは、これから来るべき未来のビジネス、プロダクト、公共サービスなど、まさに未来の社会やあり方をデザインするということだと思います。これが今回、「カレッジ・オブ・デザイン」構想に思い至った経緯です。
つまり、世の中全体で変化が起こっていて、さまざまな分野において物事がサプライサイドからユーザーサイドに移行しています。それに合った新たな仕組みをつくり、社会課題の解決を目指そうとすると、企業などからの目線ではなく、生活者や市民といったユーザーサイドの個々人の目線で仕組みをしっかりとつくっていくことがきわめて重要になります。
教育もある種の社会的な機能の1つですから、必然的に「カレッジ・オブ・デザイン」で考えているコンセプトは、こうした世の中の変化を受けて、ディマンドサイドから考えてつくり上げる学び、ということになります。
グローバルな視点で東大を変えていく
堀内:なるほど。今、カレッジ・オブ・デザインが必要とされる理由がよくわかりました。
藤井:今、お話ししたような考え方に基づいた新しい学びを、東大、あるいは東京から世界に向けて発信をしたいと考え、この新課程を「カレッジ・オブ・デザイン(College of Design)」という英語名称で構想しています。世界中から学生が集まってくるよう、海外大学との学期の互換性を考え、秋入学ですべて英語で教育を行う課程を実現しようとしています。