イタリア人が営む「老舗ラーメン店」の人生ドラマ 西武柳沢「一八亭」ジャンニさんと愛妻のこれまで

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それまでは創業当時からのラーメンを出していたが、ここからジャンニさんのオリジナルのメニュー開発がスタートする。その後、自家製麺をスタートし、パスタ用のセモリナ粉をブレンドして作った極太麺が誕生した。

「ジュノヴェーゼ」
こちらが「ジェノヴェーゼ」。ラーメン好きにも、パスタ好きにも響くこと必至の一杯だ(筆者撮影)

2012年からは「ジェノヴェーゼ」の提供がスタート。塩ラーメンにバジルペーストを合わせた斬新な一杯で、ここに自慢の極太麺を合わせた。バジルがたっぷり入った緑色のスープだが、ベースの塩スープがしっかりラーメンらしい味わいで、ラーメンとしてきちんと仕上がっているのが特徴だ。

メニュー
現在は「味噌ポナータ」「ジェノヴェーゼ」「ローマのまぜそば」などのメニューが並ぶ。これも、知枝さんの後押しがあったからこそだ(筆者撮影)

この他、サイドメニューとしてモッツァレラ餃子などもラインナップし、ジャンニさんオリジナルメニューが次々ヒットする。このころから、テレビの取材も入るようになり、客足も一気に伸びていった。

現在のラーメン業界の一端を象徴する物語

「一八亭」は昼の11時から朝方4時まで営業している。昼営業はジャンニさん、夜営業は知枝さんで切り盛りしているため、平日はほとんど一緒に過ごすことができない。唯一日曜日は22時半までの営業なので、日曜の夜と定休日の月曜日だけ2人で過ごすことができる。

ジャンニさんと知枝さん
ジャンニさんと知枝さん。ラーメンはもちろんのこと、ふたりの人柄に惹かれて足を運ぶ常連も多い/筆者撮影)

今や、ジャンニさんに会いに来る常連客がたくさんいる。老若男女さまざまなお客さんがいるが、みんなジャンニさんとおしゃべりしに来たり、週末はお酒を飲みに来てくれたりする。

店内
ラーメン店だが朝方まで営業。飲むこともできる(筆者撮影)
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