イタリア人が営む「老舗ラーメン店」の人生ドラマ 西武柳沢「一八亭」ジャンニさんと愛妻のこれまで

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店主のジャンマリオーリ・ジャンニさんはイタリア・ローマ生まれの57歳。2004年1月、タイに遊びに行っている時に、後に妻となる知枝さんに出会う。知枝さんはタイ語の勉強のためタイに行っていて、ジャンニさんは知枝さんに一目惚れをした。ジャンニさんと知枝さんはすぐ仲良くなった。

3月にジャンニさんはイタリアに戻った。当時ジャンニさんは植木屋をやっていたが、友人とタイで仕事を始めることになり、仕事をやめてタイに移ることにした。

そこでもう一度知枝さんに会うことになる。ここから2人の交際が始まった。その後、知枝さんはタイ語の勉強を終え、7月に日本に戻ることになる。

そして9月、ジャンニさんは知枝さんに電話をし、「私も日本に行く」と伝える。ジャンニさんは六本木のイタリア料理店でウェイターの仕事を見つけ、日本に移住することにした。知枝さんと出会ってから、約8カ月でのことだった。

彼女の実家は老舗ラーメン店だった

そんな知枝さんの実家は西東京市でラーメン店を営んでいた。それが、1984年にオープンした「一八亭」だ。

外観
こちらが「一八亭」の現在の様子(筆者撮影)

ジャンニさんは「一八亭」の2階に転がり込んだ。ラーメン店を手伝うという選択肢も浮かんだが、知枝さんから「ラーメン屋を手伝うのは無理よ」と断られた。ジャンニさんは「なぜ?」と疑問に思ったが、しばらくイタリアンのお店で働き続けた。

しかし、年末年始にはお店が猫の手も借りたいほど忙しく、ジャンニさんはついにお店を手伝うことに。はじめは皿洗いからスタートしたが、そのうち休みの日に仕込みの手伝いをすることになる。ジャンニさんはイタリアンの仕事から帰ってはカウンターで「一八亭」のラーメンを食べ、その作り方を目で見て覚えていた。

ふたりは2005年8月に結婚。11月には、出会った地であるタイの教会で結婚式を挙げた。

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