社会課題に取り組む「やったふり」からの脱却方法 経済価値と社会価値の両立を目指すことは可能

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Step ③「経済価値と社会価値の相互強化・自律成長」

このステップは前ステップで構築した「結節点」を活かしつつ、点ではなく、面としてインパクトを創出する段階に相当する。大企業の場合、最初のステップで定義をした自社ならではの視点で既存の事業や市場と繋げることで面的に展開する考え方を取りうる。経済価値の出口を当該事業単体ではなく、複数事業でもたらすことで既存事業を推進する上での組織の強みが発揮され、自律成長へと移行する点が期待される。

また、スタートアップの場合、国の政策やメガトレンド等と結び付けることで、インパクトを増幅させる視点も重要である。例えば、株式会社Schooはオンライン教育プラットフォームを提供している。近年、同社の成長に繋がっている要因して、経済産業省の推進する「リスキリング」政策があり、従業員のリスキリングを推進する必要に迫られる企業への導入が進んでいる点が存在する。

インパクト経営が目指す姿

Step ④「社会の変化・事業の持続的成長」

このステップは最終ステップであり、消費者や社会の価値観が変容し、事業の成長に持続的に寄与する状態が作れている段階に相当する。インパクト経営が目指す姿であり、最初に設定していた社会課題への取り組みが進んだことにより、新たな社会課題が生まれる段階でもある。

新たな社会課題を当該事業の枠組みの中で解決するか、別事業として新たに立ち上げるかは経営者の判断に委ねられる。その意味でこの四つのステップは循環構造にあり、循環を通じて、社会価値と経済価値が向上するスパイラル構造になると言える。

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