「本社」から「新規事業」が育たない納得の理由 イノベーションが生まれる場所を図で考える

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ビルが建ち並ぶ空間
イノベーションが起きる最適な場所とは(写真:metamorworks/PIXTA)
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新規事業の開発は、どの企業においても重要である。そこで社長直轄プロジェクトを立ち上げ、本社に精鋭を集めて考えたものの、うまく立ち上がらないというケースは少なくない。一方で、あまり注目されていなかった部署や子会社から、社会に影響を与えるような新規事業が立ち上がるケースがある。イノベーションが起こる場所には、何らかの法則があるのだろうか?
外資系の事業会社やコンサルティングファームを経て、いまはビジネススクールで教鞭をとり、『武器としての図で考える経営』を上梓した筆者が、図を描くことで見えてくる「新規事業の生まれる場所」について解説する。
『武器としての図で考える経営』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

イノベーションを生み出すことは、企業にとって重要なイシューです。そこで本稿では、「どこでイノベーションが生まれるのか」について見ていくことにしましょう。

既存企業が、「現在の」「メインの」「大事な」「収益性の高い」顧客の期待に応えて既存事業へのフォーカスを高めるあまり、新しく立ち上がる市場を軽視し、新規事業だけでなく、いずれ既存事業も失ってしまうことが多々あります。クレイトン・クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」です。

そうしたジレンマに対する処方箋があります。それは、物理的にも文化的にも主流から離れたところで新しい事業を立ち上げるというものです。つまり、イノベーションが起きる最適な場所は「辺境」なのです。

革命は「辺境」で起こる

この「辺境」は単に物理的な距離のみを意味しません。文化的な距離も想定されます。

そこで物理的距離と文化的距離を2軸にとって、下の図のような同心円の図の中を描いてみます。

*外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

(著者作成)

強制的に同心円を描くと、嫌でも視野を広げざるを得なくなるので、その図の中に、誰でも知っている身近な例を書き込んでいってみましょう。

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